以下の会話は、X株式会社の代表取締役甲氏と、中小企業診断士であるあなたとの間で行われたものである。この会話を読んで、下記の設問に答えよ。
なお、「民法の一部を改正する法律」(平成 29 年法律第 44 号)により改正された民法が適用されるものとし、附則に定める経過措置は考慮しないものとする。
甲 氏:「弊社の製造するタオルにつき、卸売業者であるY社との間で売買契約を締結しようと考えているのですが、Y社の資力に不安があり、何かあったときに売掛金を回収できるようにしておきたいです。とりあえずY社の代表取締役の乙氏に連帯保証人となってもらうことを考えていますが、他に何か良い手段はありますか。」
あなた:「例えば、Y社の第三者に対する複数の債権に対し、まとめて担保を設定する集合債権譲渡担保というものがあります。これは、担保目的で集合債権譲渡契約を締結するものです。そして、 [ A ] 。」
甲 氏:「そういった制度があるのですね。Y社の第三者に対する売掛金債権を対象とした場合、預金債権のように譲渡が禁止されている売掛金債権であっても、何かあったときに、当該第三者に対する請求ができるのでしょうか。」
あなた:「譲渡が禁止されている売掛金債権については、当該第三者が債務を履行しない場合において、御社が当該第三者に対し、相当の期間を定めてY社への履行の催告をし、その期間内に履行がないとき等は除き、 [ B ] 。」
甲 氏:「なるほど。他には何か良い手段はありますか。Y社と何らかの合意をしない限り、担保は成立しないのでしょうか。」
あなた:「Y社と合意をしなかったとしても、御社がY社にタオルを引き渡し、所有権も移転した場合において、当該タオルに先取特権という権利が成立し、当該タオルを競売することができます。」
甲 氏:「当該タオルがY社から小売業者に売られてしまった場合には、どうしようもないのでしょうか。」
あなた:「 [ C ] 。なお、 [ D ] 。」
甲 氏:「ありがとうございます。どうすべきか難しいですね。」
あなた:「私の知り合いの弁護士を紹介しますので、一度相談してみてはいかがでしょうか。」
甲 氏:「ぜひよろしくお願いします。」
(設問 1 )
会話の中の空欄AとBに入る記述の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
- A: 債権譲渡登記をし、債務者に登記事項証明書を交付して通知をして初めて、第三者対抗要件を具備することができます
B: 御社が、その禁止に係る特約が締結されたことを知っていた場合には、請求できません - A: 債権譲渡登記をし、債務者に登記事項証明書を交付して通知をして初めて、第三者対抗要件を具備することができます
B: 御社が、その禁止に係る特約が締結されたことを知り、又は重大な過失によって知らなかった場合には、請求できません - A: 債権譲渡登記をすることで、第三者対抗要件を具備することができます
B: 御社が、その禁止に係る特約が締結されたことを知り、又は重大な過失によって知らなかった場合には、請求できません - A: 債権譲渡登記をすることで、第三者対抗要件を具備することができます
B: 御社が、その禁止に係る特約が締結されたことを知り、又は過失によって知らなかった場合には、請求できません