令和3年度 第 1 次試験問題 経営法務 第十八問 設問2 解答と解説

解答

 

2.

 

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解説

引き続き会話問題です。設問2に進みましょう。

 

甲 氏:「なるほど。他には何か良い手段はありますか。Y社と何らかの合意をしない限り、担保は成立しないのでしょうか。」

あなた:「Y社と合意をしなかったとしても、御社がY社にタオルを引き渡し所有権も移転した場合において、当該タオルに先取特権という権利が成立し、当該タオルを競売することができます。」

設問1での話の後ですね。前回の話ではめんどくさいなあと思ったのか、ほかに良い手を聞いています。Y社の合意をしなくえも良い方法はないのかって聞いていますね。

そこで、先取特権の話を出しています。

甲 氏:「当該タオルがY社から小売業者に売られてしまった場合には、どうしようもないのでしょうか。」

あなた:「 [   C   ] 。なお、 [   D   ] 。」

まずCを考えましょう。以下の2択です。タオルを競売するのか、代金債権を差し押さえることができるのかですね。

  • 小売業者に売られた当該タオルの代金債権を差し押さえることができます
  • 小売業者に売られた当該タオルを競売することができます 

小売業者にすでに売られた場合については、すでにタオルは小売業者に譲渡された状態になり、甲氏はそれに対して、先取特権は働きません。よって、上の代金債権を差し抑えることができるが正解です。

次にDを見てましょう。以下の2択です。

  • Y社への当該タオルの代金の支払いの前に、御社又は他の一般債権者による差押えがなくとも、支払いの後に、御社又は他の一般債権者による差押えがあれば可能です
  • Y社への当該タオルの代金の支払いの前に、御社又は他の一般債権者による差押えが必要になります

 前の問題の小売業者に譲渡になった場合についての話の条件ですね。Y社への支払い前に、差し押さえが必要か後でいいのかって話です。代金が支払われた段階で、担保の対象であるタオルは第3者へ譲渡されるので、権利がなくなってしまいます。よって下の支払い前が正解となります。

 

以上より、2が正解となります。