令和3年度 第 1 次試験問題 経営法務 第十八問 設問1 解答と解説

解答

 

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解説

以下の会話は、X株式会社の代表取締役甲氏と、中小企業診断士であるあなたとの間で行われたものである。この会話を読んで、下記の設問に答えよ。
なお、「民法の一部を改正する法律」(平成 29 年法律第 44 号)により改正された民法が適用されるものとし、附則に定める経過措置は考慮しないものとする。

会話問題が続きます。

甲 氏:「弊社の製造するタオルにつき、卸売業者であるY社との間で売買契約を締結しようと考えているのですが、Y社の資力に不安があり、何かあったときに売掛金を回収できるようにしておきたいです。とりあえずY社の代表取締役の乙氏に連帯保証人となってもらうことを考えていますが、他に何か良い手段はありますか。」

生々しい話です。売掛金をなんとしてでも回収できる契約を考えたいと。

あなた:「例えば、Y社の第三者に対する複数の債権に対し、まとめて担保を設定する集合債権譲渡担保というものがあります。これは、担保目的で集合債権譲渡契約を締結するものです。そして、 [   A   ] 。」

Aについてです。集合債権譲渡担保についてです。これは、将来的に発生する債権を、集合的に考えて担保を取るものです。Aの解答群を見てみましょう。

第三者への対抗についてですが、登記事項証明書を交付し通知することが必要となります。

  • 債権譲渡登記をし、債務者に登記事項証明書を交付して通知をして初めて、第三者対抗要件を具備することができます
  • 債権譲渡登記をすることで、第三者対抗要件を具備することができます

解答は、上の方になります。

甲 氏:「そういった制度があるのですね。Y社の第三者に対する売掛金債権を対象とした場合預金債権のように譲渡が禁止されている売掛金債権であっても、何かあったときに、当該第三者に対する請求ができるのでしょうか。」

ざっくりと、預金債権については譲渡が禁止されているということだけは何となく覚えておきましょう。そして、いざとなったら、そんなものに対しても請求することはできますかと聞いています。

あなた:「譲渡が禁止されている売掛金債権については、当該第三者が債務を履行しない場合において、御社が当該第三者に対し、相当の期間を定めてY社への履行の催告をし、その期間内に履行がないとき等は除き、 [   B   ] 。」

以下のどちらかということになります。

  • 御社が、その禁止に係る特約が締結されたことを知っていた場合には、請求できません
  • 御社が、その禁止に係る特約が締結されたことを知り、又は重大な過失によって知らなかった場合には、請求できません

それぞれ、何を言ってるのって感じです。あんまり違いがよくわかりませんが、いずれも知っていた場合には、請求できない。さらに下は、重大な過失によって知らない場合についても請求できないとのことです。覚えるしかないですが、これは下の方が正解です。まあ、知っていても知りませんでしたって言ってしまうことができちゃいます。基本的には、知りませんでしたでは済まないということでしょうかね。

 

以上より、正解は3となります。

 

よって、3が正解となります。