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「企業価値評価における割引超過利益モデル」・・・、あれ、そんな用語、出てきたっけかな。残余利益モデルと同じ考え方なのかと思います。
ざっくりと言いますと、株主の期待した以上の利潤を累計して、その現在価値を現在の株主資本に加えたものが、理論上の株価になるという考え方です。
もう一つに、配当割引モデルという評価手段もあります。こちらはざっくりと言うと、配当金累計値の現在価値が、理論上の株価だという考え方です。
この2つは、基本的には同等であると言われています。クリーンサープラスの関係性が成り立つ場合は。なんかどんどん新しい言葉が出てきて混乱してしまいますね。
まあ、いきなり難しい言葉の定義とかはやめましょう。企業価値表方法として、割引超過利益モデル(残余利益モデル)と、配当割引モデルの2つがあります。
それぞれ、株価の期待以上の利益の現在価値から割り出すか、配当金の現在価値から割り出すかの違いで、クリーンサープラスの関係が成り立つときは、この両者は成り立ちますよと。クリーンサープラスは、利益が正常に配当として、株主に返却されている状態のことを言います。詳しくはWikiを見ておきましょう。
損益計算書で計算された期間損益と、貸借対照表における純資産の増減額(資本取引による増減額は除く)が等しくなる関係をいう。
「クリーンサープラス関係」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。2015年12月15日 (火) 10:04 UTC、URL: クリーンサープラス関係 - Wikipedia
選択肢を見ていきましょう。不適切なものを選択するというのに注意しましょう。
1.クリーン・サープラス関係が成り立つ場合、配当性向が高いほど株式価値は高くなる。
まず、クリーン・サープラスの関係が成り立つと言っています。
さらに配当性向と言う言葉を知る必要があります。これは当期純利益のうちどれだけを配当金にまわしたかということを示す割合です。
クリーン・サープラスが成り立つということは、純利益から配当を差し引いたものと、株主資本の増減が一致するというのが条件になりますので、配当性向は決まってくるはずです。よって、これは誤りであり、これが正解です。
2.クリーン・サープラス関係が成り立つ場合、配当割引モデルから割引超過利益モデルを導出することができる。
これは、正しいですね。クリーン・サープラスの関係が成り立つ場合は、配当割引モデルと、割引超過利益モデルは等しいとしました。よって、導出が可能になります。
3.将来の配当がゼロの場合でも株式価値を求めることができる。
あくまで、株主が期待する利益を超過した利益から導出するので、割引超過利益モデルでは配当がゼロの場合でも、株式価値を求めることが可能です。
割引超過利益モデルは、予想(=自己資本に自己資本コストを乗じた額)を超過した分を累計した現在価値を、今の株主資本に足した額が、企業価値であり、理論株価でしたね。常に上回るのであれば、とうっぜん、自己資本を超えるはずです。よって、正しいですね。
というわけで、答えは1です。