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代替財と補完財の需要曲線についてです。これは、素直にそのまま覚えましょう。まずは、代替材と補完財の意味を軽く見ておきましょう。以下はウィキペディアからです。
ある財の代わりを為す財のこと。あるいは、その財の価格の上昇が他方の財の需要量を増大させる財のこと。交差価格弾力性が正の値をとる2つの財の関係である[1]。
「代替材」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。2022年1月4日 (火) 16:28 UTC、URL: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%A3%E6%9B%BF%E8%B2%A1
相互に補完して効用を得る財の関係のこと。交差価格弾力性が負の値をとる2つの財の関係である[1]。例としてはパンとジャム、自動車とガソリンなどがある。
補完財では、どちらかの財(第1財)の価格が上昇すると、もう一方の財(第2財)の需要は一緒に減ってしまう。反対に第1財の価格が下がったとき、両方の財の需要が増加する。このとき第2財は第1財の粗補完財であるといわれる。
「補完財」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。2022年1月4日 (火) 16:28 UTC、URL: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A3%9C%E5%AE%8C%E8%B2%A1
つまり、代わりになるものと、補完しあうものということですね。市場での関係性を考えると、代替材は片方が売れると片方が売れない。片方が何かあって売れなくなると、片方が売れる。補完財は、片方が売れただけ、もう片方も売れる。片方が売れないと、もう片方も売れない関係性ですね。
さて、解答を見ていきましょう。aとc、bとdが類似文章であることに着目しましょう。組み合わせ通り見ていった方が、比較して解答しやすいです。
a A財とB財が代替財の関係にあるとき、A財の価格の下落によって、B財の需要曲線は右方にシフトする。
c A財とB財が代替財の関係にあるとき、A財の価格の上昇によって、B財の需要曲線は右方にシフトする。
さて、代替材で片方が価格が下落した場合に何が起き得るでしょうか?まぁ、いろんなケースはあって、信頼を無くすような不祥事起こして、価格が暴落して、それでも売れないとかあるのかもしれませんが、普通に考えると、安くなった方に人は流れるはずです。つまり、A財の価格が下落したらA財の需要が高まることが想定され、その場合、代替材でえあるB財の需要は下がっていくことが想定されます。逆にA財の価格が上昇した場合は、A財の需要が下がり、B財の需要が高まるはずです。
では次に、需要曲線が右方にシフトとはどのような状況でしょうか。以下を見てみます。需要曲線は基本的には、価格が高いときには需要は少なく、価格が低いときには需要は高まります。例えば、500円のケーキがあったとして、500円のときは1個しか買えませんが、300円になると2個買います。しかし、しばらくして、給料があがり、500円のケーキも3個買えるようになりました。300円になるとケーキは6個買えます。というように、給料があがるなど、状況の変化が需要を変えたわけです。これが右側へのシフトになります。このとき、需要は高まっている方向ですね。逆に左側にシフトすると、需要は下がっていくと考えます。
というわけで、B財が右側へシフト = B財の需要が高まると考えられますので、cが正です。つまり、A財が価格上昇により、売れなくなっていき、価格の安いB財に需要がうつっていったわけですね。
続いて、bとdを見ていきましょう。
b C財とD財が補完財の関係にあるとき、C財の価格の下落によって、D財の需要曲線は右方にシフトする。
d C財とD財が補完財の関係にあるとき、C財の価格の上昇によって、D財の需要曲線は右方にシフトする。
さっきと違うのは、補完財であることくらいですね。すでに我々は、右方にシフト = 需要が高まるということが分かっています。つまり、D財の需要が高まる方を選べばよいわけです。最初にも、説明したように補完財の場合、片方が売れないと、もう片方も売れなくなり、一蓮托生の関係にあります。C財の価格の下落は、C財がどんどん売れるようになり、需要が高まるでしょう。逆に価格の上昇は、売れ行きが悪くなり、需要は低くなるでしょう。D財の需要が高まるということは、C財の需要が高まることとになるので、答え場、bであると分かります。
つまり、正しいのはbとcで、正解は3となりますね。