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さて、まず問題を見てみると、aからdまでの文章があり、その中から正しいものを2つ選んだ組み合わせを選ぶ選択肢が4つあると分かります。aからdの4つの文章から選ぶ場合、たいていa or bとc or dの組み合わせを選ばせることが多いです。その視点で見ていくと少し、解きやすいかもしれません。つまり、aかbどちらかが誤り、cかdどちらかが誤り。たいていの場合、aとb、cとdは何等かの対になる文章であることが多いです。
今回は、金利平価説についての問題です。中小企業診断士の経済学・経済政策試験において、金利平価説は、頻出問題ですのでしっかり抑えておきましょう。まずは、ウィキペディアで金利平価説を調べておきましょう。
為替レートの決定理論の一つで、どの通貨で資産を保有しても収益率が同じになるように為替レートが定まると主張する説。投資家がリスク中立的であると仮定し、2カ国の金利で投資を考えるとすると、どちらに投資しても期待収益率が同じになるような水準に落ち着くとする。
「金利平価説」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。2022年6月10日 (金) 23:24 UTC、URL: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%91%E5%88%A9%E5%B9%B3%E4%BE%A1%E8%AA%AC
あんまり難しいことは抜きして、大体、有利になるような為替レートにならず、投資家さんがどこに投資しようとも、同じ収益になるように為替って調整されるよねって話です。
さて、では問題に入っていきましょう。aとbが似た文章になっているのに気づくかと思います。
a 将来の為替レートが円高に進むと予想するとき、現在の為替レートも円高に変化する。
b 将来の為替レートが円安に進むと予想するとき、現在の為替レートは円高に変化する。
さて、どうでしょう。将来円高に進むという確かな予想が出たとき、投資家がどう動くかですね。円が強くなると分かっていれば、心情として円を安いうちにたくさん買っておこう。と動くはずですよね。つまり、円高の予測は、円高を助長することになります。よって、aが正しいと言えます。
次にcとdを見てみます。
c 日本の利子率が低下すると、円の価値は低下し、為替レートは円安に変化する。
d 日本の利子率が低下すると、円の価値は上昇し、為替レートは円高に変化する。
利子率の低下が発生すると、銀行から企業がどんどんお金を借りるようになって、市場に円が溢れていき、インフレを招いていくことにもなります。そうなると、円の価値は低下するか上昇するかという話ですが、これは円の価値は低下していきます。円が溢れて、入手しやすくなっていくわけなので、価値が下がっていくのは当然と言えば当然ですね。というわけで、cが正しいです。
つまり、aとcが選ばれている1が答えです。