3.
統計分析においては、帰無仮説を立てて、その帰無仮説が採択されるか棄却されるかを統計的に検定する。
以下のa~dの記述と、それらにおいて用いる検定方法の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
帰無仮説は意味程度はなんとなく覚えておくとよいです。
統計検定において棄却(否定)しうる仮説を指す。帰無仮説は「棄てられる運命にあるように選ぶ[2]」ことからこの名がある。統計検定を用いることで、帰無仮説が真である尤度を計算することが可能である。
つまりは、仮説を考えるために立てる、棄却されることを期待した仮説ということですね。すでに説明がややこしい。例えば、「このままいけば中小企業診断士試験に合格する」という仮説を立てたとして、帰無仮説は「不合格になる」ということです。この仮説は当然ながら棄却したいわけですね。棄却できれば、合格という仮説が正しいということになります。
問題はその検定方法です。仮説の検定方法は様々にあります。
代表的なのが、t検定とF検定です。
まずt検定は、2つの母集団がそれぞれ正規分布に従っていると仮定して、その平均が等しいかどうかを検定する場合に使用します。また、母集団の相関関係を検定する場合に使用します。
そして、ウェルチの検定は、t検定の1種で、t検定を改造したものであり、その目的はt検定と同じです。
カイ二乗検定も結局は、仮説を検定するためのものなので、何とも判別が難しい問題ではあるものの、カイ二乗検定は標本(観測値)と、期待値のズレを調べるものであります。特に、クロス集計表などがあった場合は、カイ二乗検定を使用することが多いです。
F検定は、分散が等しいかどうかを調べる検定方法です。
z検定は、ある母集団の平均値と、標本の平均値とのずれを調べます。
a 2 つの変数の間の相関係数を計算して、計算された相関係数が 0(無相関)ではないかどうか、つまり、相関係数が 0 であるという帰無仮説を棄却できるかどうかを検定したい。
相関係数0である帰無仮説を棄却できるかの検定は、t検定です。
b クロス集計表において、変数(分類基準)間に関連性があるかどうか、つまり、変数間は独立であるという帰無仮説を棄却できるかどうかを検定したい。
クロス集計表により、変数間の関連性を検定しています。カイ二乗検定です。
c 重回帰分析において、独立変数が目的変数に対して統計的に有意な影響があるかどうか、つまり、偏回帰係数の値が 0 であるという帰無仮説を棄却できるかどうかを検定したい。
偏回帰係数の値が 0 であるという帰無仮説を棄却というところで、t検定です。
d 一元配置の分散分析において、群ごとに差が見られるかどうか、つまり、各群の平均が等しいという帰無仮説を棄却できるかどうかを検定したい。
分散が等しいかの検定ということで、F検定です。
以上より、3が正解となります。