令和3年度 第 1 次試験問題 経営法務 第十二問 解答と解説

解答

 

3.

 

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解説

以下の会話は、地方都市であるA市の経済団体の理事であるX氏と、中小企業診断士であるあなたとの間で行われたものである。この会話の中の空欄①と②に入る記述の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。なお、実在する特産品を考慮する必要はない。

会話問題です。

 

X 氏:「私が住むA市内のA漁港で水揚げされるマグロは、身がぷりぷりしていて、脂ものっていてとてもおいしいです。地元の旅館や飲食店でお客さんに大好評で、地元のスーパーでもこの刺身のコーナーが設けられているほどです。ここ 10 年くらいは隣接他県でも知られており、わざわざ隣の県から買いに来る人もいます。
 しかしそれでも地方都市なものですから、全国的に知られているということはなく、リサーチして遠隔地の消費者に聞いてみたのですが、このマグロを知らないという回答がほとんどでした。地域活性化のためにも、『Aまぐろ』というブランドで全国的に知らしめて売り出したいです。地域ブランドを商標登録する方法があると聞いたのですが、詳しく教えていただけませんか。」

どうやら、商標登録についての話題のようですね。特に地域ブランドについてです。

 

あなた:「地域団体商標のことですね。登録が認められるには要件がいろいろとあるようですが。」

「地域団体商標」という単語が出てきました。経済産業省にページがありますので、目を通しておきましょう。どうやら、認められるには色々要件があるようですね。

www.jpo.go.jp

 

X 氏:「『名産』の文字を付して、『A名産まぐろ』という文字からなる地域団体商標は登録可能ですか。」

あなた:「[   ①    ]。」

「名産」がついてよいのかどうかというところが、問題のポイントのようですね。地域団体商標には、要件として商品名の構成として、「地域の名称」+「商品(サービス)名」になっていることが要件となっています。じゃあ、「名産」はどうなんだ?以下の脚注があります。

「産地等を表示する際に付される文字として慣用されている文字(本場、特産、名産等)も組み合わせることができます。」

ということで、名産とついても問題はないということです。

 

・・・ 中略 ・・・
X 氏:「実は、A市には、マグロの他にもわかめ、魚の缶詰、漬物など特産物がたくさんあり、今後、様々な商品に『A』の名前を付けて売り出していくつもりです。まだ、どのような商品に付するか未定です。『A』の文字からなる商標を地域団体商標として登録することは可能ですか。」

あなた:「[   ②   ] 。」

あなた:「近いうちに地元の弁理士さんをご紹介しますよ。」

さらにまぐろ以外にも、Aブランドを広げたいようですね。そのため、Aだけの商標はとれるかときいています。しかし、先ほどの構成にもあったように、あくまで「地域の名称」+「商品(サービス)名」になっていることが要件です。よって、これは不可能です。

 

以上より正解は3となります。