令和4年度 第1次試験問題 運営管理(オペレーション・マネジメント) 第二十八問 設問2 解答と解説

解答

 

 

解説

 

会話の中の下線部②に記載されている、今まで販売していない商品カテゴリーの品揃えをするラインロビングに関する記述として、最も適切なものはどれか。

ラインロビングについての問題です。

言葉の意味としては、ライン = 特定の品種、商品、ロビング=奪うということで、競合他社から、ある特定の品種について、シェアを奪っていく戦略のことです。例えば、野菜に関しては、周りのスーパーよりも圧倒的に安くして、野菜はうちで買わせる、または品揃えを厚くして、その分野の商品を探すならここだと、差別化戦略をすることになります。この店では今まで、この商品は取り扱ってきてなかったので、何らかの差別化戦略をもって、シェアを奪っていかなければいけません。

 

1.今回のラインロビングの取り組みでは、近隣の商店へ影響することはない。

まわりのシェアを奪わなければいけないので、もちろん影響しますね。誤りです。

 

2.今回のラインロビングの取り組みでは、顧客の来店目的に影響することはない。

新しく高齢者の方に来てもらおうとしています。よって、来店目的を作ってあげるのですから、影響します。というよりは影響させて、こさせようとしています。誤りです。

 

3.今回のラインロビングを提案する主目的は、粗利益率を高めることにある。

ラインロビング自体の目的は、あくまでシェアを奪うことです。粗利益率を高めることではありません。よって誤りです。

ややシェアを奪っていく場合、必ずしも粗利益率が上がりません。むしろ、値引きとかやっていくと、利益率は下がる可能性が高いかもしれません。

 

4.今回のラインロビングを提案する主目的は、買上点数を増やすことにある。

これは、難しい。初見では、僕はこれを正解かと思いました。買い上げ点数が増えていけば、シェアを奪うことになりますので。しかし、問題として取り上げられているのが、「今まで販売していない商品カテゴリーの品揃え」の目的ですよね。そしてシェアを奪いたいのは、高齢者好みの文房具でした。この品揃えをすることで、その買い上げ点数が上がるとは言えないですし、必ずしも買い上げ点数を増やすこと自体は、目的ではないです。よって、誤りです。

 

5.今回のラインロビングを提案する主目的は、来店頻度を増やすことにある。

上記の下線部についての目的はこれです。文房具は毎日売れるものではないので、高齢者の来店する目的を作ってあげて、その来店頻度を上げることがこの下線部の目的です。別の品物により、最終的に、高齢者好みの文房具を見る機会を増やして、買ってもらいシェアを奪っていくわけですね。これが正しいです。 

 

が、ちょっと判断が難しいです。来店頻度を増やし、最終的には、買い上げ点数を増やそうと結局はしているようにも思えてしまうし。

 

解答は5です。