令和3年度 第 1 次試験問題 企業経営理論 第一問 解答と解説

解答

 

3.

 

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解説

 

多角化に関する記述として、最も適切なものはどれか。

 

1.企業における多角化の程度と収益性の関係は、その企業が保有する経営資源にかかわらず、外部環境によって決定される。

初見で何言っているのかよくわからんってなってしまいそうです。おそらく、この手の分野に強い人にはスッと入って来る内容かもしれませんが、IT企業に務めているような人間には、理解がなかなかできない文章です。

多角化の程度と収益性の関係ってのは、どれくらい多角化することによって、収益が上がるの?下がるの?って話です。多角化によりそもそも収益に提供するのか?これは、多角化の目的により、リスク分散のために今の事業と無関係な分野に乗り出した多角化なのか、現状の事業とのシナジーを狙った多角化なのかでも大きく異なります。

外部環境要因により、その分野の注目度により当然収益性はもちろん大きく左右されるものですね。では内部環境要因はどうか、多角化の大きなメリットとして利用しきれていないリソースを活用可能な点も挙げられます。いわゆる組織スラックの活用です。よって、企業が保有する資源に関係ないとは言えません。誤りです。

 

2.情報的経営資源は、複数の事業で共有するとその価値が低下するため、多角化の推進力にはならない。

多角化のメリットとして、シナジー効果の期待があります。つまり、内部資源や内部情報の共有することで、コストをかけずに複数の事業を実行できます。シナジー効果により、収益性を上げて、推進力を上げることが期待できます。よって、誤りです。

 

3.多角化の動機の 1 つとして、社内に存在する未利用資源の活用があげられる。

上記で触れたように、組織スラックの活用についてです。これは正しいです。

 

4.多角化は規模の経済を利用するために行われる。

 規模の経済は、大量生産によりコストを下げることであり、多角化には合いません。多角化に合うのは、範囲の経済です。商品Aと生産ラインで共通な部分がある商品Bを作ることにより、AとB双方を生産することにより、トータルでコストを下げるわけです。

 

よって、正解は3です。