令和3年度 第 1 次試験問題 財務・会計 第十八問 解答と解説

解答

 

3.

 

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解説

 

ここでは、税引後、税引前キャッシュフローについての問題になります。

まず何等かの機会の導入を検討していると、じゃあとりあえず、カップラーメン自動作成機とでもしときます。税引前キャッシュフローが2,000万円増加します。

 

税引前キャッシュフローは、以下のように求めることができます。

 税引前キャッシュフロー = 営業利益 + 減価償却

え?いやいやいや、営業利益は分かるけど、減価償却費をなんで足すわけ?ここが、非常にキャッシュフローの深い所です。

減価償却費は、損益計算書においてすでにマイナスされた値になっています。しかし、実際には、現金のやり取りがされたわけではない、ある意味、概念的なマイナスです。対してキャッシュフローは物理的な現金のやり取りを表します。そのため、減価償却費をキャッシュフローで表す場合は、プラスして、マイナスした分を相殺してやらなければいけないわけです。さて、税引前キャッシュフローは2,000万円、原価償却費は、900万円とすでに出ていますので、ここで営業利益が求まります。

 2,000万円 = 営業利益 + 900万円

 営業利益 = 2,000万円 - 900万円 = 1,100万円

さて、次は税引後キャッシュフローは以下のように求めることができます。

 税引後キャッシュフロー = 営業利益 (1 - 実効税率) + 減価償却

すでに営業利益も出ていて、実効税率は30%ですので、

 税引後キャッシュフロー = 1,100万円(1-0.3) + 900万円

 = 1,100万円 x 0.7 + 900万円 = 770万円 + 900万円 

 = 1,670万円

 

ということで、答えは3となります。