令和 4 年度 第 1 次試験問題 中小企業経営・中小企業政策 第一問 解答と解説

解答

 

5.

 

解説

さて、今回から中小企業経営・中小企業政策について解説していきます。この科目については、何を見て、何を学習すれば良いのか?です。

何を見れば良いのかは、ずばり言うと、中小企業白書です。中小企業白書とは、中小企業基本法に基づく年次報告であり、中小企業庁が毎年発行しています。この科目では、この中小企業白書から問題が出題されます。基本的に、その年度の中小企業白書を読むのが良いです。つまり、令和4年度に対応する中小企業白書は、2022年版ということです。

 中小企業白書については、以下のリンクに無料で閲覧することができますので、まずは入手しましょう。

中小企業庁:2022年版「中小企業白書」全文

 

 さて、問題に戻りましょう。問題でいきなり、総務省経済産業省「平成 28 年経済センサス-活動調査」と出てきており、中小企業白書じゃないじゃんって話ですが、この中小企業白書に掲載されている統計データは、総務省「事業所・企業統計調査」、「経済センサス‐基礎調査」及び総務省経済産業省「経済センサス‐活動調査」が利用されています。よって、中小企業白書さえ把握していればOKということです。

 中小企業における従業員者数は非常に頻出なので、少なくとも試験の対象となる中小企業白書で確認しておきましょう。

まず、上記のリンクのページから、「付属統計資料」を取得しましょう。ここに各種統計データがたくさんでています。以下がその一覧です。

  1. 産業別規模別企業数(民営、非一次産業、2009年、2012年、2014年、2016年)
  2. 産業別規模別従業者総数(民営、非一次産業、2009年、2012年、2014年、2016年)
  3. 産業別規模別常用雇用者数(民営、非一次産業、2009年、2012年、2014年、2016年)
  4. 産業別規模別売上高(民営、非一次産業、2011年、2013年、2015年) 
  5. 産業別規模別付加価値額(民営、非一次産業、2011年、2015年) 
  6. 都道府県別規模別企業数(民営、非一次産業、2009年、2012年、2014年、2016年) 
  7. 都道府県別規模別従業者総数(民営、非一次産業、2009年、2012年、2014年、2016年)
  8. 都道府県別規模別常用雇用者数(民営、非一次産業、2009年、2012年、2014年、2016年)
  9. 都道府県別規模別付加価値額(民営、非一次産業、2015年)
  10. 開業率・廃業率の推移(非一次産業)
  11. 業種別の開廃業率の推移(事業所ベース、年平均)
  12. 有雇用事業所数による開廃業率の推移
  13. 会社の設立登記数及び会社開廃業率の推移
  14. 金融機関別中小企業向け貸出残高
  15. 中小企業(法人企業)の経営指標(2020年度)

今回は企業規模別の従業員者数なので、上記の2産業別規模別従業者総数が、これにあたりそうです。さて、2の産業別規模従業者総数を見ると、3つの表があり、「企業ベース」、「会社ベース」、「個人ベース」と3種類に分かれています。先に「個人ベース」とは個人事業者の従業員数になります。「会社ベース」はいわゆる「会社」の従業員数、そして、「企業ベース」は、その2つを合わせたものです。

見るべきは、一番したの非一次産業の合計です。ところで、一次産業、二次産業、三次産業って分かるでしょうか?一次産業は農業、酪農、林業、漁業などのことです。二次産業がそれらを利用、加工した産業、つまり、製造業、建設業など、三次産業がそれ以外のサービス業などですね。

一次産業以外の集計が一番下にありますので見てましょう。表のデータは、2009/2012/2014/2016 と4年分ありますが、保証はできませんが、最新のだけ覚えておくと良いと思います。

中小企業の従業員数の合計を見ると、32,201,032人で、 68.8%と分かりますね。この時点で4か5に絞ることができます。

次に付加価値については、5番目の表「産業別規模別付加価値額(民営、非一次産業、2011年、2015年)」を見る必要があります。

同じく非一次産業の合計で中小企業の2015年を見てみましょう。1,351,106(億円)で、52.9%とあります。つまり、約135億円で50%ということですね。というわけで、答えは5となります。