2.
経済産業省は、「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX 推進ガイドライン)Ver.1.0」を平成 30 年 12 月に発表している。これは、DX の実現やその基盤となる IT システムの構築を行っていく上で経営者が押さえるべき事項を明確にすること、および取締役会や株主が DX の取り組みをチェックする上で活用できるものとすることを目的として作成されたものである。
この中で失敗ケースや先行事例がガイドラインとともに取り上げられているが、これらを踏まえた提言に合致する記述として、最も適切なものはどれか。
現在、これはデジタルガバナンス・コード2.0 とバージョンアップされています。こちらをまずは眺めておきましょう。
1.DX 推進に当たっては、トップダウンではなくボトムアップで行う。
ボトムアップからを推奨しているわけではありません。
2.IT システムのオーナーシップは、情報システム部門やベンダー企業が持つのではなく、事業部門が持つ。
「IT システム担当者だけではなく、業務に精通している担当者がしっかりとオーナーシップをもってプロジェクトに参画している。」というように書いており、ITシステム担当者任せになってしまうのは望ましくありません。
書いている内容が分からなかったとしても、どこかの部門だけが、オーナーシップを持つのは望ましい状態ではないとわかるので、選択しやすいと思います。
3.技術起点で PoC(Proof of Concept)を行ってから経営戦略を立てる。
経営戦略が先かPoCが先かというところですが、当然経営戦略が先にあり、それでなければPoCのコストが無駄になります。
4.刷新後の IT システムは、再レガシー化を回避するために、その IT システムが短期間で構築できたかによって評価する。
これは、ITシステムがうまくいったからといって、ビジネスがちゃんとうまくまわっていなければ当然意味がありません。評価はビジネスがうまくまわったかどうかになります。よって、誤りです。
5.組織・人事の仕組みや企業文化・風土に影響を与えないで済むように DX プロジェクトを進める。
DXにより、むしろ意識や風土を変化させることも、ひとつの目的となっています。
以上より、正解は2です。