中小企業診断士試験:はじめに

 

 

中小企業診断士試験とは?    そもそも中小企業診断士って?    まず、中小企業診断士ってどんな役割を持った制度なのでしょうか?HPによると、中小企業診断士とは、「中小企業の経営課題に対応するための診断・助言を行う専門家」。そして、重要なのが、法律上の国家資格として「中小企業支援法」第11条に基づき、経済産業大臣から登録されるという点です。つまりは、国が認めた中小企業の経営コンサルタントと呼ぶ役割ということですね。    中小企業診断士試験、および登録について    つまり、中小企業診断士試験とは、上記の通り国家資格を取得するための試験ということです。中小企業診断士試験は、マークシート方式の第1次試験と筆記試験と口述試験となる第2次試験に分かれます。これで登録できるのかとおもいきや、試験に合格しても、さらに実務補修、または実務従事(15日以上)を経て、やっと、中小企業診断士として登録されます。    なお、1次試験合格後、2次試験の代わりに、中小企業基盤整備機構、または登録要請期間が実施する養成課程を経る方法もあるようです。詳しくは、HPを参照ください。    この資格がおすすめの層    経営コンサルタントを目指している方や、会社の中で経営関連に関わる方は、いわずもがなおすすめできる資格だと思っていますが、このサイトで、あえておすすめしたい層は、例えば、中堅のITシステムエンジニアや、プロジェクトリーダーなど、いわば、僕も含め、会社の経営や、経済学に関心すら持ってこなかった方々に対してです。    この資格をおすすめする理由    そんな業務に関係しない勉強なんて無駄だ、そもそもそんな時間がない。もちろん、本当に不要な人もいると思いますが、学生時代も含めてすっかり視野が狭まっている今だからこそ、そして、いつまでも技術だけでは上に上がっていくことができなくなる壁が現れる瞬間に備えて、少なくとも僕は一度は、この資格に興味を持ってみることをお勧めします。    中小企業診断士試験は、会社経営に必要な知識をまんべんなく勉強することができると思います。MBA取得するまでいかなくても、気軽に勉強を始めることができます。たとえ、資格取得までいかなかったとしても、きっと、勉強したことは無駄にならないでしょう。    中小企業診断士試験の難易度について    中小企業診断士試験の当サイトにおける、難易度は ★★★★☆ 星4つ。日本における資格試験の中でも高難易度の試験に分類されるでしょう。    第1次試験、第2次試験となりますが、それぞれ合格率は20%程度です。そして、試験全体の合格率は、約4%となります。しかも、TOEICなどとは違い、会社で団体で受けようという人はいないため、この合格率はかなりシビアです。    試験合格までの勉強時間について    中小企業診断士試験を合格したい場合、だいたいその勉強時間は1000時間といわれています。もちろん、あなたの職業によってはすでに知識が備わっている科目もあると思いますので、その場合はいくぶんか勉強を省くことは可能でしょう。    この時間を、働きながら捻出するのは、まさにとんでもなく難しい話であり、こんなものに年単位で、勉強するには覚悟が必要となります。    中小企業診断士試験の1次試験科目について    中小企業診断士試験の第1次試験科目は以下の7科目になります。すべての科目が、マークシート方式のテストになります。ちなみに試験順序も以下の通りに実施されます。
    経済学・経済政策    財務・会計    企業経営理論    運営管理    経営法務    経営情報システム    中小企業経営・政策    非常に幅広い分野から、出題がされます。この7科目を一気に覚えるのはかなり至難の業といえるでしょう。

    中小企業診断士試験の2次試験科目について    中小企業診断士試験の第2次試験について、明確な科目分野は特に説明されていない(と思います)。が、4つの事例についての記述問題が何題か出題されます。
    事例Ⅰ    :組織や人事の再編や改革などの経営戦略に関わる事例    関連する1次試験:「企業経営理論」    事例Ⅱ    :マーケティングや流通などの経営戦略に関わる事例    関連する1次試験:「企業経営理論」「運営管理」    事例Ⅲ    :生産性、生産管理、技術戦略を視点にした経営戦略に関わる事例    関連する1次試験:「運営管理」    事例Ⅳ    :財務・会計の視点から見た経営戦略に関わる事例    関連する1次試験:「財務・会計」    これら4つの事例に関する記述問題です。とてもとても重要なのが、第1次試験と被る科目、被らない科目があることです。この存在から、試験の戦略を考えていくと、より効率的に中小企業診断士試験を、無駄なく攻略することができるはずです。    おすすめの試験合格計画    色んなところで、一発合格できる!とか売り文句に言っている通信講座や、教材とかあふれています。確かに、毎日数時間を確実に確保できる人には可能でしょう。しかし、あくまでこのサイトでは、働きながら勉強する人を。しかも、かなり負荷の高い業務をこなしながら試験準備をする人をターゲットとしています。    すると、「いやなにも一発合格でなくてもいいんじゃないのか?」と考えることもできます。というのも、中小企業診断士試験の1次試験には、科目免除制度があります。1度、科目免除を受けると、なんと2年度分、つまりは翌々年の試験までその科目を合格扱いにしてくれるのです。    これを含めて、おすすめの試験勉強計画は、2年かけて合格を狙います。2年目で1次試験合格する計画になりますが、この場合、2次試験には、その年と翌年も受けることができます。つまり、万一、2年目、2次試験に不合格だったとしても、3年目は2次試験だけに集中することができます。    1年目にすべきこと    ずばり1年目にすべきことは、2次試験に大きく関わりが無い、以下の科目について集中し、確実にこれらの科目合格します。なお、科目合格は60/100点以上で科目合格となり、翌年はその科目が免除となります。    経済学・経済政策    経営法務    経営情報システム    中小企業経営・政策    これらの、たった4科目の合格を目指しましょう。ちょっとは、現実的になってきたのではないでしょうか?何度も何度も落ちる人の典型は、仕事が忙しいのに無理に一発合格を狙い、7科目をとりにいって、すべての科目が中途半端な知識になり、知識的にも付け焼刃になり、すぐに忘れてしまう。それを何年も繰り返しているのです。    忘れてはいけません。勉強すること自体に意味があり、たとえ時間が取れないとしても、そのような中途半端な勉強をしてはいけません。    2年目にすべきこと    ずばり2年目にすべきことは、当然ながら、2次試験を念頭において、残り3科目について、2次試験にも対応した勉強を行っていきます。    財務・会計    企業経営理論    運営管理    ポイントとして1次試験から2次試験には2か月の間が空きます。2次試験にも対応した勉強すべしとは言ったものの、この2か月で論述試験についての対策をやっていけば良いでしょう。    しかし、財務・会計なんかは特に、これまで全く関わってきていない者には、かなり苦痛を伴う科目となるでしょう。企業経営理論についても、覚えることが非常に多いです。しかし、この3科目に絞れるなら、合格は難しいものではないはずです。    3年目にすべきこと    万一、2年目で2次試験に不合格となっても、焦る必要は全くありません。翌年も1次試験をパスして、2次試験のみ受験することができます。もう、後が無いと自分を追い込む必要はありません。2次試験に1年間集中することができます。決して、難しいことではありません。    なお、論述試験合格後、実はさらに口述試験があります。しかしながら、口述試験は99%の人が合格します。ここまで中小企業診断士試験を1次、2次と合格した人なら、なんら問題のない試験ということですので、気にする必要はないでしょう。