2.
引き続き会話問題です。設問2に進みましょう。
(10 か月後)
甲 氏:「10 か月ほど前に相談させていただいた卸売業者であるY社から納品された腕時計の件で、先週、10 か月前に納品された腕時計の一部に別の不良が見つかりました。店頭で販売した腕時計について、購入者の方から、全く動かなくなるというクレームがありまして、Y社に対して、何らかの請求はできませんでしょうか。」
どうやらトラブル発生です。10か月過ぎた状態ですね。
あなた:「 [ C ] ですので、商法第 526 条が直接適用されて、買主である御社に目的物の検査及び通知義務が課されます。そのため、腕時計が動かなくなるという不良が直ちに発見できないものだったとした場合、 [ D ] 。いずれにせよ、今後は契約書を専門家に見てもらった方がいいと思いますので、よろしければ私の知り合いの弁護士を紹介しますよ。」
文章から、どうやら時間が経過しすぎていることがポイントのようですね。まずは会話に出ている商法526条を確認しましょう。
納品したときに検品して、不適合を見つけたら基本的にすぐに通知。すぐに見つからないものでも、6か月以内に通知ってことですね。今回は10か月過ぎてしまっています。
Cから選択肢をみていきましょう。
- 商人間の売買
- 少なくとも当事者の一方のために商行為となる行為
はてなって感じです。商人間の売買とは、つまり商売人の間における取引や売買です。そして、当事者の一方のための商行為となる行為とは、商売人が消費者に向けてということです。今回は、商売人の間による取引の話ですね。上が正しいです。
では、Dを見てみましょう。
- まだ 1 年経過していないので、Y社に対する請求は可能です
- もう 6 か月経過しているので、Y社がその不良につき悪意でない限り、Y社に対する請求は困難です
526条より、6か月以内に不良を発見して通知することが示唆されていますね。そのため、故意的なものでない限りは、請求は難しいでしょうというのが、法律上の見解になるでしょう。よって、下が正しいです。
以上より、2が正解となります。