令和3年度 第 1 次試験問題 経営法務 第十問 解答と解説

解答

 

3.

 

次の問題

この解答の問題

INDEXへ

 

解説

特許法の規定に関する記述として、最も適切なものはどれか。

特許法に関してです。

 

1. 2 以上の発明は、いかなる場合も 1 つの願書で特許出願をすることはできない。

知識問題です。2つ以上の発明であっても、下記の通り、技術的関係を有することにより、発明の単一性の要件を満たすものは、1つの願書で出願することができる。

特許法 

第三十七条 二以上の発明については、経済産業省令で定める技術的関係を有することにより発明の単一性の要件を満たす一群の発明に該当するときは、一の願書で特許出願をすることができる。

よって、選択肢は誤りです。

 

2.願書には、明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書をすべて必ず添付しなければならない。

 出願に必要なものを確認してみましょう。

特許法 
(特許出願)
第三十六条 特許を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した願書を特許庁長官に提出しなければならない。
 特許出願人の氏名又は名称及び住所又は居所
 発明者の氏名及び住所又は居所
 願書には、明細書、特許請求の範囲、必要な図面及び要約書を添付しなければならない。
 前項の明細書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
 発明の名称
 図面の簡単な説明
 発明の詳細な説明

 非常に、この法律の原文からはわかりにくいですが、図面については必要な場合のみの提出になります。よって、選択肢は誤りです。

 

3.特許請求の範囲に記載する特許を受けようとする発明は、発明の詳細な説明に記載したものであることが必要である。

 特許請求の範囲の記載については、以下が要件となっています。

特許法 
 第二項の特許請求の範囲の記載は、次の各号に適合するものでなければならない。
 特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載したものであること。
 特許を受けようとする発明が明確であること。
 請求項ごとの記載が簡潔であること。
 その他経済産業省令で定めるところにより記載されていること。

 一に当てはまりますね。よって、この選択肢は正しいです。

 

4.特許請求の範囲には、請求項に区分して、各請求項ごとに特許出願人が特許を受けようとする発明を特定するために必要と認める事項のすべてを記載する必要はない。

 いえ、すべて記載する必要があります。この辺は侵害の判断ともなってくるので、すべて記載する必要があります。

よって誤りです。

 

以上より正解は3です。