2.
民法が定める消費貸借に関する記述として、最も適切なものはどれか。
なお、「民法の一部を改正する法律」(平成 29 年法律第 44 号)により改正された民法が適用されるものとし、附則に定める経過措置及び特約は考慮しないものとする。
消費貸借に関してです。消費貸借とはあまり聞き覚えの無い単語 Wikiからは、「当事者の一方(借主)が種類、品質及び数量の同じ物をもって返還をすることを約して相手方(貸主)から金銭その他の物を受け取ることを内容とする契約(民法第587条)。また、当事者の一方が金銭その他の物を引き渡すことを約し、相手方がその受け取った物と種類、品質及び数量の同じ物をもって返還をすることを約することを内容とする契約(民法第587条の2)。」
早い話が借金です。お金の借り貸しに関する法律についての問題となります。
このへんは知識を幅広く覚えておく必要があります。問題を通じて、関連法律の知識を少しずつ伸ばしていきましょう。
1.金銭の消費貸借契約がその内容を記録した電磁的記録によってなされたとしても、その消費貸借は、諾成的消費貸借契約としての効力を有することはない。
電磁的記録とはなんでしょうか?
これは、保管する媒体が人が知覚できない媒体、USBメモリやハードディスク、CD/DVD/などに電子的、磁気的な方法で保管されたものを言います。Wikiによると意外にも、VHSやカセットテープも含まれるようですね。
これらの電磁的記録に保管された契約内容は、効力があるかどうかってことです。これはもちろん効果があります。よって、誤りです。
2.書面により金銭の消費貸借契約を締結した場合、貸主から金銭を受け取る前に借主が破産手続開始の決定を受けたときは、当該消費貸借は、その効力を失う。
これはその通りです。金銭受け渡し前に、借主(貸主も)が、破産手続きの開始決定がされた場合については、消費貸借契約の効力は無くなります。
よって、これは正しいです。
3.書面により金銭の消費貸借契約を締結した場合、借主は、貸主から金銭を受け取る前であっても、当該契約を解除することはできない。
ここは改定された民法の内容です。
ということで誤りです。貸主はその損害を賠償請求できる点も覚えておきたいです。
4.書面により金銭の消費貸借契約を締結した場合、当該契約書に返還時期を定めたときは、借主は、当該返還時期まで、金銭を返還することはできない。
これも改定された部分ですね。
ということで、いつでも返還することができます。ただし、それに対する損害に対して、その賠償を請求することができるとあります。早く返ってきて損害なんてあるのかってところですが、例えば貨幣ではなく、絵画とかが早く返ってきてしまって、その管理を見込んでいなくて、管理費がかかっちゃったとかですかね。
よって、これは誤りです。
以上より、正解は2となります。