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小売業における CRM と、それに関連する分析方法や手法に関する記述として、最も適切なものはどれか
小売業における CRMについてです。
CRMって何の略称でしょうか?そういえば、正式名称が問題に書かれていないというのも珍しいですかね。Customer Relationship Management 日本語で言うと、顧客関係管理です。顧客情報を管理、利用して顧客ロイヤリティの向上、そして売り上げや満足度の向上を目指した活動を言います。
では、それをふまえて、問題文から学んでいきましょう。
1.CRM において、RFM 分析などを利用して、優良顧客層のような着目すべき顧客層を識別することは重要である。
RFM分析とは、以下の指標により顧客の優先度を分析することです。
- R : Recency 顧客の最終購買日。つまり、しばらく来ていない顧客でないことを示しているわけですね。
- F : Frequency 顧客の購買頻度。つまり、その顧客がどれくらいの頻度で購買する顧客であるか。
- M : Monetary 累計購買額。どれくらいの購買を行っている客かを示しています。
説明文はあっていますね。RFM分析により、優先度を決めて顧客を識別していき、それぞれの顧客層に対する戦略を考えていくわけですね。
2.FSP は、EDLP にとっては有効な手法の 1 つであるが、CRM には関係がない。
FSPは、Frequent Shopper Program の略称で、その名の通り来店頻度に着目して、購買頻度が高い顧客に対するサービスを展開する戦略です。
EDLPは、Every Day Low Priceです。これは、別に頻度のよい顧客とか関係ないですよね。ポイントカードとか、来店数に応じたサービスがFSP戦略にあたります。
よって誤りです。
3.RFM 分析のFの評価値は、顧客の購買額の分散値が大きな値であることによって、高い評価値と判断することができる。
FはFrequencyで頻度です。これは関係ありませんね。誤りです。
4.顧客の購買機会ごとの購買額と購買商品数の相関係数が大きければ、RFM 分析におけるRの評価値も高いと考えられる。
RはRecency:最終購買日です。購買額と購買商品数の相関係数とは全く関係のない指標ですね。誤りです。
5.優良顧客層を特定するために、顧客の年齢や性別などの属性データを説明変数としてクラスター分析を行うことは、CRM にとって重要である。
クラスター分析というのは、似た趣向や属性などを、分類してグルーピングする分析手法です。年齢や性別や地域など、明らかにすでに区分けされているような属性にを対象とする場合はクラスター分析ではありません。誤りです。
よって、1が正解となります。