令和3年度 第 1 次試験問題 運営管理(オペレーション・マネジメント) 第十ニ問 解答と解説

解答

 

3.

 

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解説

 

発注方式における発注点あるいは発注量の決定に関する記述として、最も適切なものはどれか。

発注方式に関してです。

 

1.ダブルビン方式における発注量として、発注点の 2 倍を用いた。

ダブルビン方式とは、ビンを2つ用意しておいて片方がなくなったら、1つのビン分だけ発注するというやり方です。定量発注方式の簡易版って感じですかね。

発注点の2倍ってのが、少し引っかかった人もいるかもしれません。発注点とは、在庫の基準点でそれ以上在庫が減ったら発注するぞっていう基準点です。なので、50個以下になったら発注するぞっていう感じですね。そして、発注点の2倍ということは50個以下ということは、100個発注するということです。

ダブルビン方式の場合、ビンの量は決まっており、定量ですので、発注点の2倍という指定はできません。 誤りです。

 

2.定量発注方式における発注点として、調達期間中の平均的な払い出し量を用いた。

発注点には基本的な計算方法があります。

 発注点= 1日の平均的な需要量 x 調達期間 + 安全在庫

つまりは、1日の平均的に売れる量を、調達期間中でかけてあげて、さらに、安全在庫をそれに足してあげる形です。さて、問題文の調達期間中の平均的な払い出し量とは、「1日の平均的な需要量 x 調達期間」と同義です。ということは、安全在庫分、これでは足りないことになります。よって、誤りです。

 

3.定量発注方式における発注量として、経済発注量を用いた。

経済発注量とはなんでしょうか? 

ja.wikipedia.org

「発注費用と在庫費用の総額を最小化する1回あたりの発注量」という発注量のことなんですが、もう少しいうと、発注するのに商品以外に発注費用がかかります。よって、発注回数が多くなると、無駄な発注費用がかかります。しかし、じゃあ、1回でどかんと発注した場合、在庫を大量に抱える必要があります。在庫を抱えるにもいろいろとお金がかかりますね。よって、在庫を抱える量・期間でやっぱり無駄なお金が増えてしまいます。それを最適にする発注量を導き出したのが、「経済的発注量」です。

よって、これは正しいです。

 

4.定期発注方式における発注量として、(発注間隔+調達期間)中の需要量の推定値に安全在庫を加えた量を用いた。

これは定量発注方式のときの発注量になっていますね。定期発注方式の場合、以下のように発注量を求めます。

  発注量 = 

  (発注間隔 + 調達期間) x 消費予定量 + 安全在庫 - (現在の在庫量 + 現在の発注残) 

よって、誤りです。

 

以上より、3となります。