令和3年度 第 1 次試験問題 企業経営理論 第三十五問 設問2 解答と解説

解答

 

3.

 

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解説

 

引き続き広告の影響についてです。

 

1.飲酒運転禁止を説得テーマとして、恐怖感情とユーモア感情とを生起させる2 つの広告を作成した場合、テーマに対して高関与な消費者はユーモア感情の広告に接する方が、テーマに対して低関与な消費者は恐怖感情の広告に接する方が、それぞれ即時的に説得に賛成する態度を示す。

「精緻化見込みモデル」についてです。

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高関与な消費者が、どんな消費者なのかが理解できないと、解答は無理です。

高関与とは、その商品への興味の度合いになります。特に高価なもので自分の興味をそそられるものに対して高関与になる傾向が強いです。高額になるほど、慎重に情報を集めて、自分に合うかどうかをしっかりと見極めるためです。そのような状態の場合、あまり周りの声などによって、一度これと決めると変わることが無いです。低関与とは逆に安価であまり考える必要のない日常品などに対してのことです。この場合、周りの声などにより、ふらふらと購入品を変える傾向があります。

中心ルート思考と、周辺ルート思考とも言われますが、あまり詳しいところは触れません。ユーモアや恐怖感情に訴えるような手法ではありませんので、これはあやまりです。

 

2.企業からの説得意図を強く感じる広告に対して、メッセージの唱導方向と同一方向の態度を有している消費者は、その態度をさらに強化する傾向がある一方、製品への態度が曖昧な消費者は、説得意図を強く感じる内容に対して心理的リアクタンスが生じ、逆方向の態度変化を起こしやすい。

ブーメラン効果についての記述です。

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ブーメラン効果っていうのは、説得しようとした場合に、返って、その説得に対して疑問を持つ、または負の感情を抱いてしまうような現象のことをいいます。さらに、Wikiにもあるように、「コミュニケーション・ディスクレパンシーがほとんどない時、すなわち説得者の態度・意見と被説得者の態度・意見とがほとんど同じ時に、この現象が生じるという。」

特に相互に信頼関係が築かれていない場合に多く見られますね。例えば信頼感ない政治家が、突然自分と同じ主張を始めた場合に、あれ、ちょっと待てよ本当にそれでいいんだっけ。とかになるわけですね。

よって説明が逆になっています。誤りです。

 

3.高価な製品を購入してしまい後ろめたさを感じる場合、消費者は当該ブランドの広告ばかり見たり、他ブランドの広告は見ないようにしたりして、自分の選択を正当化することが多い。「自分へのご褒美」という広告主によるメッセージは、こうした消費者が自己の購買を正当化し、認知的不協和を軽減する効果がある。

はい。その通りです。 認知的不協和についてですが、ご褒美と言われれば、苦労していたし、これくらいねと勘定を誘導し、それを軽減する可能性があります。(逆にこのセリフが嫌いな人もすごくいますけどね。)

正しいです。

4.製品のポジティブ要因とネガティブ要因の両方を提示することによって、製品の信憑性を高めようとする両面提示広告では、消費者にとって低関与の製品の場合には最初にポジティブ情報を提示し、高関与の製品の場合には最後にポジティブ情報を提示した方が、それぞれ製品評価を高めることができる。

基本的に、ネガティブな要因を先に言って、最後にポジティブな情報を並べるのが良いです。こんな素晴らしいことがある。あ、、でもこれはこうなんだよね。って言うと、言い訳っぽい感じで、いい所の信ぴょう性も揺らいじゃいます。こういうところはありますが、そのデメリットを覆すだけの、このメリットがある!って言った方が良いです。よって誤りです。 

5.テレビ広告は、消費者が意識的に接触している感覚は低くても、自分にとって関心が低いブランドの広告に関しては、単純接触の回数が増えるほど、ブランドへの態度が直線的にネガティブになっていく。

 単純接触効果についてです。 

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基本的に何度も接触していると、高感度はあがりますよっていう効果です。ただしその効果は直線的ではなく、逓減していくものとも言っています。

しかも、嫌悪感がある場合については、何度もそれを見せられると、嫌悪感が強化されてしまう場合もあります。よって、誤りです。

 

以上より、 3が正解です。