令和3年度 第 1 次試験問題 企業経営理論 第ニ十七問 解答と解説

解答

 

2.

 

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解説

 

解雇に関する記述として、最も適切なものはどれか。

解雇に関してです。基本従業員が強く、企業が解雇するのは大変なことです。そのため、条件がいろいろあります。

 

1.使用者は、産前産後の女性労働者が労働基準法第 65 条の規定によって休業する期間及びその後 30 日間については、同法第 81 条の規定によって平均賃金の1,200 日分の打切補償を支払うことで、解雇することができる。

 産後の解雇については頻出ですので、覚えておきましょう。まず、休業期間については以下のとおり、八週間就業させてはいけないことになります。

労働基準法 
(産前産後)
第六十五条 使用者は、六週間(多胎妊娠の場合にあつては、十四週間)以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合においては、その者を就業させてはならない。
 使用者は、産後八週間を経過しない女性を就業させてはならない。ただし、産後六週間を経過した女性が請求した場合において、その者について医師が支障がないと認めた業務に就かせることは、差し支えない。
 使用者は、妊娠中の女性が請求した場合においては、他の軽易な業務に転換させなければならない。

 

そして産後の解雇ですが、以下のようにその後三十日間は解雇してはならないとなっています。よって誤りです。

労働基準法 
(解雇制限)
第十九条 使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後三十日間並びに産前産後の女性が第六十五条の規定によつて休業する期間及びその後三十日間は、解雇してはならない。ただし、使用者が、第八十一条の規定によつて打切補償を支払う場合又は天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合においては、この限りでない。
 前項但書後段の場合においては、その事由について行政官庁の認定を受けなければならない。

 

2.使用者は、事業場に労働基準法又は労働基準法に基づいて発する命令に違反する事実がある場合において、労働者が、その事実を行政官庁又は労働基準監督官に申告したことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取り扱いをしてはならない。

これはとても当たり前すぎることを言っていて逆に疑ってしまいますが、これが答えです。労働基準法に違反することを申告したことによって不利益があってはいけないって言っています。当然ですね。正しいです。 

3.使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後 30 日間は、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となり、所轄労働基準監督署長の認定を受けた場合でも解雇することはできない

2で見た(解雇制限)に書いていますが、さすがに天災事変等の自由については、解雇することは可能です。どうにもならない場合っていうことはあります。ということで、これは誤りです。 

4.使用者は、労働者を解雇しようとする場合、少なくとも 21 日前にその予告をしなければならず、21 日前に予告をしない場合には、21 日分以上の平均賃金を支払わなければならない。

労働基準法 
(解雇の予告)
第二十条 使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない使用者は、三十日分以上の平均賃金を支払わなければならない。但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においては、この限りでない。
 前項の予告の日数は、一日について平均賃金を支払つた場合においては、その日数を短縮することができる。
 前条第二項の規定は、第一項但書の場合にこれを準用する。

21日ではなく、30日ですね。誤りです。

 

以上より、2が正解です。