令和3年度 第 1 次試験問題 企業経営理論 第ニ十六問 解答と解説

解答

 

2.

 

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解説

 

労働基準法における賃金に関する記述として、最も適切なものはどれか。

労働基準法の賃金に関してです。

 

1.賃金は、通貨で支払わなければならないが、労働組合がない企業について、労働者の過半数を代表する者との書面による協定があれば、使用者は通勤定期券や自社製品等の現物を賃金の一部として支給することができる

自社製品等を現物で賃金とすることはできません。しかし、通勤定期券については、現物を賃金として支給することは可能です。誤りです。

2.賃金は、通貨で支払わなければならないが、使用者は労働者の同意を得て、労働者が指定する銀行の労働者本人の預金口座へ振り込む方法で支払うことができる。

これは給料もらっている人からすると、当たり前ですよね。正しいです。

3.労働基準法で賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいうが、就業規則に支給条件が明確に定められている結婚手当は賃金となることはない

ちょっとマニアックな話じゃないですかね。前半部分については、第十一条の内容であり、合っています。

第十一条 この法律で賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう。

問題は、その後ろの結婚手当ですね。

まず、結婚祝い金、お見舞金など支給条件が不明確なものについては、これは賃金になりません。しかし、結婚手当については、支給条件が通常は設定されているはずであり、その限りではなく、つまり、賃金になる場合があります。

よって、誤りです。

4.労働者が未成年者である場合には、未成年者は独立して賃金を請求することはできず、親権者又は後見人が、未成年者に代わってその賃金を受け取ることとなる。

(未成年者の労働契約)
第五十八条 親権者又は後見人は、未成年者に代つて労働契約を締結してはならない。
 親権者若しくは後見人又は行政官庁は、労働契約が未成年者に不利であると認める場合においては、将来に向つてこれを解除することができる。
第五十九条 未成年者は、独立して賃金を請求することができる。親権者又は後見人は、未成年者の賃金を代つて受け取つてはならない。

まったく逆ですね。受け取ってはいけません。よって、誤りです。

 

以上より、2が正解です。