令和3年度 第 1 次試験問題 企業経営理論 第ニ十四問 解答と解説

解答

 

4.

 

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解説

 

労働基準法の定めに関する記述として、最も適切なものはどれか。

労働基準法についての問題です。非常に頻出ですのでよくおさえておきましょう。一度に説明できるような範囲でもないので、問題をこなして知識の幅を広げていきましょう。

 

1.使用者は、事業場ごとに労働者名簿と賃金台帳を調製しなければならず、また、労働者名簿及び賃金台帳など労働関係に関する重要な書類は 10 年以上保存しておかなければならない。

~年保管しなければいけないとかは、狙われやすいです。以下、109条に記載があります。保管期間は5年んですね。誤りです。

第百九条 使用者は、労働者名簿、賃金台帳及び雇入れ、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を五年間保存しなければならない。

2.労働基準法には、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的な取り扱いを禁止する規定はない。

 労働基準法に、そのような男女平等の原則が記載されていないわけがないですね。以下、第4条です。

(男女同一賃金の原則)
第四条 使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない。

 

3.労働基準法の違反行為をした者が、当該事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為した代理人、使用人その他の従業者である場合においては、事業主は処罰されない。

問題文がちゃんと理解できれば、常識的に誤りだろうなと分かるはず。つまり、 事業主のために労働基準法を破った場合、事業主は処罰されないか?いやいや、されるに決まっています。労働基準法では、以下121条がそれにあたります。

第百二十一条 この法律の違反行為をした者が、当該事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為した代理人、使用人その他の従業者である場合においては、事業主に対しても各本条の罰金刑を科する。ただし、事業主(事業主が法人である場合においてはその代表者、事業主が営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者又は成年被後見人である場合においてはその法定代理人法定代理人が法人であるときは、その代表者)を事業主とする。次項において同じ。)が違反の防止に必要な措置をした場合においては、この限りでない。
 事業主が違反の計画を知りその防止に必要な措置を講じなかつた場合、違反行為を知り、その是正に必要な措置を講じなかつた場合又は違反を教唆した場合においては、事業主も行為者として罰する。

 

4.労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない。

これはなんか、当たり前な感じですね。労働基準法の第一条にあります。正しいです。 

(労働条件の原則)
第一条 労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない。
 この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない。

 

 以上より、4が正解です。