令和3年度 第 1 次試験問題 企業経営理論 第十七問 解答と解説

解答

 

2.

 

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解説

 

 

1.組織の価値観や目標と個人のそれらが一致する場合、個人にとっては組織内で新たに成長できる余地が限られるため、個人の組織コミットメントは弱くなる。

組織の価値観・目標が個人と一致しているのに、成長できる余地が限られるわけもないですし、コミットメントが弱くなるなんてこともありませんね。誤りです。

 

2.長期にわたって 1 つの組織に参加し続けることが望ましいという社会的な規範は、個人の組織コミットメントを強めるように作用する。

なんとも悩ましい文章ですが、これが正解です。

日本的な終身雇用の形態が望ましいという思想により、所属企業への愛着、責任感などが増して、コミットメントを強めるように作用するという考え方です。なんか洗脳っぽい言い回しで、どうも正解だって選びにくいのですけどね。

 

3.特定の専門的な職務に対する思い入れの強さは、個人の組織コミットメントを強めるように作用する。

特定の専門的な職務へのコミットメントは、組織コミットメントと等価ではありません。そこに特化してしまうことによって、組織コミットメントと近しい場合には組織コミットメントを強める場合も無くはないですが、基本的には低める方向に作用すると言われています。

 

4.特定の組織内では高く評価されるものの、労働市場ではほとんど評価されない技能を習得することは、個人の組織コミットメントを弱めるように作用する。

その組織の特定の専門知識を身に着けた場合、そこでしか評価されないので、その組織でのコミットメントを強めるように作用します。

5.年功序列的な給与体系の下では、短期間で転職を繰り返すことが個人にとって経済的に不利に作用するため、個人の組織コミットメントは弱くなる。

いや、微妙です。これ誤りなわけですが、これも終身雇用の考え方と同じで、長くいる組織に対するコミットメントを高めるという話です。

しかし、年功序列的な体系においては、何もしなくても給料はあがるよねって感じで、コミットメント本当に高まる?っていう疑問はついてまわりますが、少なくとも必ずしも、弱くなるわけではないとは思います。誤りです。

 

以上より、2が正解です。