令和3年度 第 1 次試験問題 企業経営理論 第十一問 解答と解説

解答

 

3.

 

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解説

 

ちょっと言い回しも微妙なところで、難しい問題です。

 

1.特許などの知的財産の権利化に当たっては、数多く出願し、権利化していけばよいのではなく、出願・登録のコストやその後の活用の可能性を踏まえ、選別して出願・権利化し、管理・維持していくことが必要である。

これは知的財産の権利化の基本ではあります。とはいえ、アメリカなどでは、ある程度数打てば当たるてきなビジネス目的の出願方法もありますけどね。が、この説明を否定するような話ではなく、これは適切です。

 

2.日本国内における 2011 年度から 2018 年度の特許権の利用状況を見ると、自社および他社によって利用されている特許権の割合は、およそ半数にとどまっている。

利用率はだいたい半数です。特許庁の公開している情報を一度は目を通しておきましょう。適切です。

https://www.jpo.go.jp/resources/statistics/chizai_katudo/2019/document/index/kekka.pdf

 

3.日本の特許法は、同一の発明について 2 つ以上の特許出願があったときに、先に発明をしたものに権利を付与する「先発明主義」を採用している。

先願主義と、先発明主義があります。

前者が出願の順番を基準にし、後者が発明した順序が基準になります。日本では前者の先願主義が採用されています。

先発明主義を採用しているのは、アメリカあたりです。いつ発明したって言えるかの判断は難しいので、先願主義が主流です。

よって、これが不適切で正解です。 

 

4.発明を特許として出願すると、一定期間が経過した後に発明の内容が公開されてしまうので、あえて出願せずノウハウとして保持するという選択肢もある。

出願した1年6か月後に公開される、出願公開制度というものがあります。そのため、あえて出願しないというのも戦略です。適切です。

 

よって、3が正解です。