令和3年度 第 1 次試験問題 企業経営理論 第七問 解答と解説

解答

 

3.

 

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解説

 

競争戦略についてです。

ここで僕が参考に読んでいる書籍を書いておきます。以下の書籍は、別にこの問題に限らず、中小企業診断士を受験するにあたり、読んでおいて損は無い内容となっています。主にポーターの競争戦略について具体的な例や、分かりやすい説明で解説しています。問題ばかり読んでいると、全容が分からないし、しかし参考書を読んでも、眠くなってしまう。こんな人は、この書籍を読んでみるのもよいかと思います。

 

 

1.M.ポーター(M. Porter)によれば、競争戦略の基本は、規模の拡大による低コスト化の実現と製品差別化の同時追求にあり、製品差別化と結びつかない低コスト化の追求は、短期的には成功を収めても、中長期的には持続的な競争戦略にはならない。

ポーターは、基本的な競争戦略は以下の3つあると言っています。

  • コストリーダーっシップ
  • 差別化
  • 集中

そして、基本的にはこの中から一つだけ選んで、それに集中することが欠かせないとポーターは言っています。よって、同時追及と言っている時点で誤りです。

 

2.ある特定の製品の生産・販売の規模を拡大することによって、生産・販売に関わるコスト、特に単位当たりコストが低下する現象は、「範囲の経済」と呼ばれており、コスト・リーダーシップの基盤となる。

規模の経済の説明ですね。誤りです。

 

3.経験効果とは、累積生産量の増加に伴い、単位当たりコストが一定の比率で低下する現象である。この累積生産量と単位当たりコストの関係に基づくと、将来の累積生産量から単位当たりコストを事前に予測して、戦略的に価格を設定することができる。

経験硬貨ってのは、いわばノウハウの蓄積によって、効率的に千さんを進めることによりコストを低下させることが可能になることです。この説明は正しいです。

 

4.製品差別化が実現している状況では、当該製品の顧客は代替的な製品との違いに価値を認めているために、競合製品の価格が低下しても、製品を切り換えない。したがって、このような状況では、需要の交差弾力性は大きくなる。

交差弾力性というのが分かるかどうかで変わってきますが、ここまで勉強してきた人であれば勉強していなくても想像がつくはず。競合製品が値上がりしたときに、自社の製品の需要がどれくらい高まるかっていう話です。

差別化が実現できている場合、言ってみれば、値段によらずそれぞれの製品を購入するので、価格が低下しても、需要の切り替えはあまり発生しないと言っています。そして、その状態は交差弾力性は小さいと言えます。

5.製品ライフサイクルの初期段階で、コスト・リーダーとなるためには、大幅に価格を引き下げて、一気に市場を立ち上げるとともに、市場シェアを高める「上澄み価格政策」が有効である。

まず説明は、価格浸透戦略についてです。上澄み価格政策とは、初期投資コストを回収するため、価格を高めに設定することを言います。よって誤りです。

 

以上より正解は、3となります。