令和3年度 第 1 次試験問題 財務・会計 第二十三問 解答と解説

解答

 

3.

 

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解説

 

オプション取引についてです。

オプション取引とは、決められた金額で原資産を買う、または売る権利の取引のことです。権利の売り買いというところがポイントです。そして、売る権利のことをプットオプション、買う権利をコールオプションと呼びます。

100円の商品を買いたいけど、後で値上がりして150円になるかもしれません。その場合、100円で買う権利を購入します。もちろん、実は値下がりする可能性もあって、90円になるかもしれません。その場合は、この権利を放棄して90円で買った方が良いですよね。これがコールオプションです。そして、この権利を売った売り手側は、必ずその権利が行使されたら実行する義務が発生します。

 

そして、100円の商品を売りたいけど、後で値下がりするかもしれません。その場合、100円で売る権利を購入します。もちろん、実は値上がりする可能性もあって、150円になるかもしれません。その場合は、こお権利をほうきして、150円で売った方が良いですよね。これがプットオプションです。この権利を売った売り手側は、必ずその権利が行使されたら実行する義務が発生します。

いやいや、こんなものあるんだったら、みんなこの取引するよね。もちろんそんな美味しい話があるわけがなく、権利を購入する際に料金がかかります。これをオプション料金、またはオプションプレミアムと呼びます。オプションプレミアムは、その商品の値上がりの期待値などにより決まります。

 

さて問題を見ていきましょう。

1.他の条件を一定とすれば、権利行使価格が高いほどコール・オプションの価値は高くなる。

他の条件を一定にするって、他の外乱的な要因は特に考えずにということで、権利行使価格(つまり、権利で設定された実際に買う際の価格)は、買い手にとって、高い方がオプションの価値は高いかどうかということです。

こんなの安く買えるオプションの価値の方が高いに決まっていますね。よって誤りです。

2.他の条件を一定とすれば、行使までの期間が短いほどコール・オプションの価値は高くなる。

期間が短いほど、権利購入者にとって選択肢が狭まります。期間が長い方が、選択肢が広がりますので、オプションの価値は高くなります。誤りです。

3.プット・オプションを購入した場合、権利行使価格を大きく超えて原資産価格が上昇しても、損失の額はプレミアムに限定される。

プット・オプションで例えば100円で売り権利を10円で購入しました。ところが、200円まで上昇してしまいました。その場合は、前述したようにプットオプションを破棄して、200円で売った方が良いですね。その際の損失は、オプションプレミアムの10円に限定されます。正しいです。

4.プット・オプションを売却した場合、権利行使価格を大きく下回って原資産価格が下落しても、損失の額はプレミアムに限定される。

プット・オプションで例えば100円で売り権利を10円で購入しました。ところが、50円まで値下がりしてしまいました。

ん?いやいや、100円で売る権利があるので、これはむしろ、しめしめと言う感じですね。そもそも損失が出ません。誤りです。

 

以上より正解は、3です。