令和3年度 第 1 次試験問題 財務・会計 第十六問 解答と解説

解答

 

4.

 

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解説

 

株主還元についてです。割とマニアックな問題となるのではないでしょうか。問題文を見ていきましょう。

 

1.自社株買いを行うと当該企業の純資産が減少するため、売買手数料をゼロとすれば株価は下落する。

自社株買いは、株式数は減りますが、純資産の減少にはなりません。株式数が減り、1株あたりの株価が高まります。

 

2.自社株買いを行った場合、取得した株式は一定期間のうちに消却しなければならない。

特に、償却に期限が設定はされていません。「金庫株」として、保管しておく場合もあります。

 

3.配当額を自己資本で除した比率を配当利回りという。

配当利回りとは、1株の株価に対する配当金の割合になります。よって、1株当たり配当金 / 1株あたりの株価 となります。よって、誤りです。

 

4.有利な投資機会がない場合には、余裕資金を配当などで株主に還元することが合理的である。

 いやあ、これが正解ですけど、こういうもんだと覚えていないと迷ってしまいます。合理的って何って感じです。配当金をしっかり出すことによって、安定的な企業をアピールし、株主が継続的に投資を考えることになり、合理的でしょといわれりゃ、まあそうですがと思いますが、ズバッとこれが正解っていけないなと。

とはいうものの、これは非常に重要な観点です。配当金が単なる株主へのサービスとかではなく、安定性を示すものということです。

 

以上より、正解は4となります。