令和3年度 第 1 次試験問題 財務・会計 第十五問 解答と解説

解答

 

3.

 

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解説

 

加重平均資本コストについてです。加重平均資本コストは、WACC(Weighted Average Cost of Capital)とも呼ばれます。

資金調達においては、銀行から借り入れるにせよ、株式を発行するにせよ、その利子、配当金などを支払わなければいけません。その資本コストを加重平均して算出したのが、この加重平均資本コストになります。つまり、その企業が、資金調達にどれくらいの資金をかけているのかっていう指標になります。

 

加重平均資本コストの求め方は、やや複雑な式になります。

加重平均資本コスト = ( rE x E / (E + D) ) + ( rD(1 - T) x D/ (E + D) )

rE : 株主資本コスト

E:株主資本

rD:負債コスト

D:負債

T:実効税率

となります。複雑とはいえ、覚えられるレベルだと思いますので、何度も問題を解いて、そのまま覚えてしましょう。

rE :問題文では自己資本コストとして表されています。12%

E:自己資本は、株価 x 発行済株式総数 = 1,200 x 50,000 = 60,000,000円

rD:これは社債のみとありますので、社債利回りがそのまま入ります。4%

D:負債簿価の4,000万円

T:30%

よって、

加重平均資本コスト= ( rE x E / (E + D) ) + ( rD(1 - T) x D/ (E + D) )

= (0.12 x 6,000万 / (6,000万 + 4,000万)) 

     + (0.04 x (1 - 0.3) x 4,000万 / (6,000万 + 4,000万)) 

= (720万 / 10,000万) + (0.028 x 4,000万/10,000万)

= (720万 + 112万) / 10,000万 = 832/10,000 = 8.32%

 

となります。よって、正解は3となります。ちょっと計算が大変ですね。