令和3年度 第 1 次試験問題 財務・会計 第七問 解答と解説

解答

 

3.

 

次の問題

この解答の問題へ

INDEXへ

 

解説

 

個別原価計算というやつですね。

当然ですが、会計処理には原価計算が重要になってきます。原価計算にはその業種により、やり方が異なってきます。主にシステム開発業、IT系、コンサルティング系、または多品種少量生産を行う製造業なんかは、この個別原価計算を採用しています。もうひとつの代表的な原価計算方法は、総合原価計算です。

その違いは、プロジェクト単位、またはロット単位によって、その原価計算方法が異なるような業種では、そのプロジェクト単位により原価を管理してあげる必要があります。対して、総合原価計算方式については、大量生産などするような主に製造業などが、同じ原価計算方式で期間ごとに原価計算をする業種で採用されるわけです。

個別原価計算での特徴は、直接費と間接費に分けて計算する点、また、プロジェクト

やロットごとに原価を分けて計算する点です。

問題を見てみると、すでに直接費と間接費にそれぞれの項目が分けられており、さらに製造指図書単位に、直接費が示されていますね。ということで、すでにあまり難しいことを考える必要がありません。

今回の問題になっているのは、#11です。よって、ここだけ見れば良いです。

まず直接材料費は、、、、

直接材料費 :2,000 x 50 = 100,000 円

直接労務費 :1,200 x 100 = 120,000 円

となりますので、直接費は、220,000円となります。

間接費は、何やら小難しいことが書いていますね。「製造間接費は、直接作業時間を配賦基準として各製品に配賦する」とあります。どういうことでしょうか?

まず製造間接費実際発生額ってのは、まあ、言ってみれば実際にかかった間接費の総額です。間接労務費、間接材料費、間接経費を合算したものです。直接費のように、時間や個数をかけてだすものではありませんが、それでは、各ロットや各プロジェクト単位で、どれくらいの間接費がかかったことにすればよいか分からないですね。そこで、直接作業時間を配賦基準にするということで、時間の割合で製造間接費実際発生額を配賦してねってことです。#11、#12、#13の直接作業時間の合計は100 + 110 + 90で、300時間。そして、#11は、その1/3 なので、製造間接費実際発生額を1/3でかけてあげれば、#11に割り振る間接費を求めることができます。つまり、

 間接費 = 150,000 * (1/3) = 50,000となります。

ということで、製造原価は以下のように求められます。

製造原価 = 直接材料費 + 直接労務費 + 間接費

     = 100,000 円 + 120,000円 + 50,000円

     = 270,000円

以上より、答えは、3です。