令和3年度 第 1 次試験問題 財務・会計 第五問 解答と解説

解答

 

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解説

 

引当金の分類についての問題です。

引当金の細かい分類を、正確に覚えていないと答えることができない問題です。まず引当金ってなんだったでしょうか?

将来的にかかる可能性が高い、費用または損失に対し、その金額が合理的に見積もり可能なものに対して備えておく金額です。

発生可能性が低かったり、見積もりが全くできないような事象に対して引当金を割り当てることはできません。そして、具体的な引当金の種類としては以下があります。

  1. 製品保証引当金
    販売済み製品について、初期不良等で無償で修理などに対する引当金
  2. 売上割戻引当金
    大量に販売した場合に、安い価格で提供する割戻に対する引当金
  3. 返品調整引当金
    販売済み製品の返品(売上戻り)に、対する引当金
  4. 賞与引当金
    賞与に対する引当金
  5. 工事補償引当金
    建設業において、納品後の無償修理などへの引当金
  6. 退職給与引当金
    退職一時金、退職年金に対する引当金
  7. 修繕引当金
    設備等の修繕に対する引当金
  8. 特別修繕引当金
    定期的な大規模修繕に対する引当金
  9. 債務保証損失引当金
    債務保証を行っている場合に備えた引当金
  10. 損害補償損失引当金
    損害賠償に対する引当金
  11. 貸倒引当金
    売掛金受取手形などが、倒産などで支払われない場合の引当金

まあ、その名前からだいたいの意味は想像がつくと思いますので、そこまで厳密な意味を覚えておく必要はないでしょう。重要なのが、分類です。その特徴により、分類の仕方がいくつかあります。

評価性引当金・負債性引当金

まず最初が、この2種類への分類です。これはとっても簡単です。評価性引当金に当てはまるのは、貸倒引当金のみです。その他は、負債性引当金に分類されます。

その分類の意味は、将来の損失に備えるのが、評価性引当金で、将来の支出に備えるのが負債性引当金です。

 

そして、次の分類は、上記の分類の中で、負債性引当金のグループの中での分類です。これには2つの分け方があります。

収益控除性引当金・費用性引当金

収益から控除する引当金が、収益控除性引当金、費用として計上すべき引当金が費用性引当金です。

収益控除性引当金の方を覚えておくのが、楽です。以下の2つです。

これは何となく収益から控除されるっていうイメージで覚えられそうですよね。その他は、費用性引当金に分類されます。

そして、最後の分類が、今回の問題になっている分類の仕方で、

債務性引当金・非債務性引当金

この分類がなかなかイメージがつきにくいです。とりあえず分類は以下の通りです。

債務性引当金

  1. 製品保証引当金
  2. 売上割戻引当金
  3. 返品調整引当金
  4. 賞与引当金
  5. 工事補償引当金
  6. 退職給与引当金

非債務性引当金

  1. 修繕引当金
  2. 特別修繕引当金
  3. 債務保証損失引当金
  4. 損害補償損失引当金

結構、これをそのまま覚えろってなかなかしんどいです。でなくてもいろいろ覚えることは多いのに。私は、一応、まず評価性引当金貸倒引当金が抜けて、収益控除性引当金で、売上割戻引当金、返品調整引当金、そして債務性引当金は、収益控除性引当金と、製品保証、工事補償、賞与、退職給与で、その他が、非債務性引当金と覚えています。いや、きついですね。

さて問題は、非債務性引当金を選ぶ問題です。

答えは2の修繕引当金です。