ある値(value)を何らかのキー(key)を付けて記憶するデータ構造は、さまざまなプログラミング言語で利用可能である。
Python においては、辞書(dictionary)と呼ばれるデータ型が組み込まれている。辞書は、「キー: 値」という形のペアの集合であり、
{キー 1: 値 1, キー 2: 値 2, …, キー n: 値 n}
のように、「キー: 値」の各ペアをカンマで区切り、{ } で囲むことで定義できる。
例えば、
mis = {"科目名":"経営情報システム", "試験時間":"60 分"}
として辞書 mis を定義でき、mis["科目名"] でキー "科目名" に対応する値である"経営情報システム" を、また、mis["試験時間"] でキー "試験時間" に対応する値である "60 分" を参照することができる。なお、次のように、値には辞書型のデータも指定することができる。
employee = {"E001":{"氏名":"中小太郎", "部門":"財務部"},
"E002":{"氏名":"診断次郎", "部門":"総務部"}}
この場合、employee["E001"]["氏名"] で "中小太郎" を参照することができる。
いま、次のように exam を定義するとき、値の参照に関する記述として、最も不適切なものを下記の解答群から選べ。
exam = {
"A":{"科目名":"科目A", "試験時間":"60 分", "配点":"100 点"},
"B":{"科目名":"科目B", "試験時間":"60 分", "配点":"100 点"},
"C":{"科目名":"科目C", "試験時間":"90 分", "配点":"100 点"},
"D":{"科目名":"科目D", "試験時間":"90 分"},
"E":{"科目名":"科目E", "試験時間":"60 分", "配点":"100 点"},
"F":{"科目名":"科目F", "試験時間":"60 分", "配点":"100 点"},
"G":{"科目名":"科目G", "試験時間":"90 分"}
- exam["A"]["試験時間"] の値と exam["B"]["試験時間"] の値は等しい。
- exam["C"]["配点"] の値は、"100 点" である。
- exam["D"] に、キー "配点" は存在しない。
- exam["E"]["試験時間"] の値と exam["G"]["試験時間"] の値は等しい。
- exam["F"]["科目名"] の値は、"科目F" である。