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引き続き特許関連についてです。いや、本当に特許関連は覚えることが非常に多い。そして細かい。一気に覚えようとせずに、問題を解きながら、ひとつずつ丁寧に、記憶に刻み込んでいくイメージでいくのが良いかと思います。
では、今回も問題を通して深堀していきましょう。
1.専用実施権者は、自己の専用実施権を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対して、その侵害の停止又は予防を請求することができない。
まず、特許の実施って何のことでしょう?実施とは、誰かの特許を使って、製品を製造したりすることを実施と言います。その場合、特許権を持つ、特許権者より、実施することを設定してもらう必要があります。その際に、他の人には、特許を実施させない、つまり第3者を排他する実施権である、「専用実施権」と、排他効力のない、「通常実施権」に分かれます。
もし、これを破り、第3者が侵害して実施しようとした場合、専用実施権を持つものは、差止請求等を出すことが可能になっています。よって、この説明は誤りになります。
2.特許権が共有に係るときは、各共有者は、契約で別段の定をした場合を除き、他の共有者の同意を得ないでその特許発明の実施をすることができる。
特許権が共有に係るときというのは、複数の企業、または個人が、ひとつの特許の実施権を共有して所有していることです。
特許法の73条には、以下のように記載があります。
3.特許権者がその特許権について、専用実施権を設定し、その専用実施権の登録がなされた場合、当該設定行為で定めた範囲内において、特許権者と専用実施権者とは、業としてその特許発明の実施をする権利を共有する。
77条に以下のとおり記載されています。
いろいろと重要なことは記載されいますが、この問題で言うと、 「特許権者と専用実施権者とは、業としてその特許発明の実施をする権利を共有する」わけではなくて、「業としてその特許発明の実施をする権利を専有する」。つまりは、特許権者すら、実施する権利を排他されるわけですね。というわけで誤りです。
4.未成年者は特許を受ける権利の権利主体となることができない。
未成年者については以下のように権利が記載されています。
やたらとめんどくさい書き方がされていますが、結論だけ言うと、未成年でも特許を受ける権利の権利主体になれます。ただし、両親等が法定代理人として手続きする形になるよって話ですね。ちなみに、未成年者が独立して・・・ってところは、未成年でも結婚して、世帯が独立したらっていうことです。
いろいろ、細かい所の話があって覚えるのが大変ですね。しかし、問題を通じてしっかり覚えていきましょう。
以上より、正解は2です。