3.
スーパーマーケットの売場づくりに関する記述として、最も適切なものはどれか。
さて今回は、売り場つくりについてです。陳列方法関連の話ですね。
まさか自分が、スーパーマーケットの売り場づくりについて考える日が来るとは思っていませんでした。しかし、この辺を勉強すると、コンビニ行ったときとか商品の陳列方法とか、もっとこうしたらいいのにとか考えるようになってきます。
まずは、主な陳列の種類について説明します。陳列の種類は細かいのも入れると、山ほどあるので、代表的なところから説明していきます。
■陳列の種類
エンド陳列
ゴンドラや商品棚の端は、通路をまっすぐ歩いていると、必ず目に触れるところですので、目立ちやすい、顧客の目に入りやすいという特色があります。そのため、このような端のところに、専用の商品棚などを置き、シーズナブルな商品、特売品など、注目させたい商品を置き、衝動購買を誘因するようにします。
レジ前陳列
レジって、お会計までに時間がかかったり、列ができて待たされることもありますよね。そこでレジの前、レジの横なんかに、ちょっとしたもの(飴とか菓子類等)を置いておくと、ついつい買ってしまうことがあります。先日、近所のスーパーでお会計待ちしているときに、饅頭を買ったのを思い出しました。ポイントとしては、計画購買になるようなものや、高価なものゆっくりと見てもらいたいものなどは、レジ前陳列には向かないです。
アイランド陳列
よくスーパーとかに、トイレットペーパーが山積みされている区画とか、食品でも山積みになっている独立した陳列ってありますよね。これがアイランド陳列です。島陳列とも言うことがあります。やはりシーズン的なものであったり安売りしているような目立たせたい商品に使われることが多いです。
島出し陳列
ゴンドラからは飛び出すようにワゴンが出されていることとかあると思います。割引ものとか、やはり目立たさせたい商品が並ぶことが多いです。
ジャンブル陳列
かごやバスケットなどに、陳列せずに山盛りにそのまま入れて売り出している陳列方法です。段ボールからそのまま、どしゃーっとあけてしまうなど、陳列に手間がかからないのが利点です。また、こちらも割安感が演出され、顧客の注目を集めることができます。逆に、高級品などでは、かえって陳腐感を与えてしまうことになり、注意が必要です。
■その他の重要点
ゴールデンゾーン
ゴンドラにおいて、だいたい60cm ~ 150cmの人が手に届く範囲は、平均的に最も人が見やすい高さの棚だと言われます。この範囲に特に売りたいもの、目立たせたいものをゴンドラには配置するようにします。
ゴールデンゾーンを意識したレイアウトをすることは非常に重要です。手に届く範囲なので、例えば狭すぎる通路ではゴールデンゾーンは狭くなりがちです。おきたいものと、ゴールデンゾーンを意識して、売り場全体のレイアウトを考える必要があります。
縦割り陳列
同じ種類の商品を垂直方向に並べる陳列方法です。人は、商品を見るときは縦方向に探す人が多いそうです。その修正を考慮して、同じ種類の商品を立て方向に並べておくと、顧客は商品を探しやすくなります。
ワンウェイコントロール
ワンウェイコントロールとは、レイアウトや陳列などを工夫することによって、顧客がなるべく長い距離、お店をくまなく歩きまわってもらうようにする戦略のことをいいます。具体的な施策としては、
・計画購買となりやすい商品を、店の奥に配置する。または分散させるように配置する。
・コンビニなんかそうですが、コの字にお客が回るようにレイアウトや、陳列をする。
・その順路で見えるエンド陳列には、注目すべき商品を並べる。
まだまだいろいろ店づくりの知識はありますが、切りが無いので、問題に進みましょう。
1.買上点数を増やすために、レジ前売場には単価が低い商品よりも高い商品を陳列する。
レジ前陳列についてです。レジ前では、安価なもの、パッと見て購入を決めることが可能なものが向いています。高額なものは向きません。よって誤りです。
2.買物客の売場回遊を促すために、衝動購買されやすい商品は売場に分散配置する。
分散配置すべきなのは、計画購買されやすい商品ですね。探させて、歩きまわすわけですね。衝動購買させたいものなんかは、島出し陳列や、エンド陳列など、注目を浴びやすいところに置くべきです。誤りです。
3.商品棚前の通路幅を広くすると、当該商品棚のゴールデンゾーンの範囲が広がる。
狭すぎる通路では、ゴールデンゾーンは狭くなるという話をしました。この説明のように、ゴンドラ前の通路を広くしておけば、ゴールデンゾーンの範囲は広がっていきます。これは正しいです。
4.販売促進を行うエンドの販売力は、主通路に面するよりもレジ前の方が高い。
エンド陳列についてです。エンド陳列については、ゴンドラや商品棚の端のところでした。そして、主通路から見えるエンド陳列には注目するものを置いて、顧客を誘導する目的がありましたね。また、レジ前のエンド陳列は、少し買いにくさがあるのは、皆さん共感できるのではないでしょうか。よって、これは誤りです。
5.複数の入り口からレジまでの客動線を一筆書きのようにコントロールすることをワンウェイコントロールという。
ちょっとだけ判断に困るなあと思ったのは自分だけですかね。ワンウェイコントロールの特徴を表しているように思えます。客動線を一筆書きのようにコントロールして、例えばコンビニのようなコの字に客動線を、入り口から出口へと誘導するのが定石です。では何が違うのでしょうか?ここには複数の入り口とあります。複数入り口があると、あっちから入って、こっちから出るルートと、こっちから入ってあっちというように、客動線は複雑になります。よって、出入り口がひとつ、または入り口と出口が一つずつというのが基本です。よって、誤りです。
以上より、3が正解です。