令和4年度 第1次試験問題 運営管理(オペレーション・マネジメント) 第二十七問 解答と解説

解答

 

4.

 

解説

 

最寄品を取り扱う小売店の販売計画や計数管理に関する記述として、最も適切な
ものはどれか。

「販売計画や計数管理」、販売計画はともかく、計数管理とはなんぞや?な人も多いはず。ここでいう計数とは、各分析や統計データなどを用いて得たデータ全てについての、管理が含まれます。そのようなデータを得て、どのように改善を行うかということです。

今回の問題では、「最寄品を取り扱う小売店」にフォーカスされています。最寄品とは、日用品や食料品など、日々必ず必要となる商品のことで、消費者はなるべくお金をかけずに、なるべく自分の行動範囲内で買い物をしようとします。また、日々必要なものが多いですので、計画的に購買するということではなく、お店に行ってから具体的に何を買うのか決める場合が多いことも特徴のひとつです。

では、問題文を見ていきましょう。

 

1.カテゴリーマネジメントでは、店員の作業計画に基づき商品カテゴリー単位で販売計画を立案する。

これは最寄品かどうかにも寄らず、誤りです。カテゴリーマネジメントとは、その企業がまず戦略であったり目標を掲げて、それに基づいて、ではどのような商品カテゴリーを扱っていくのか、そして管理していくのかを考えていきます。

店員の作業計画は、カテゴリーの決定には関係ありません。よって、誤りです。

 

2.損益分岐点売上高を計算する際、変動費には売上原価は含まれない

あえて、ここで損益分岐点売上高の計算方法は説明はしませんが、変動費は売上の増減により、売り上げに合わせて増えたり、減ったりする費用です。つまり、1個あたり仕入れ、売るまでに、どれだけかかるのかです。その中には、当然ながら売り上げ原価が含まれ、売り上げが増えれば増えるほど、これは上がっていきます。

損益分岐点売上高は、売上高と費用額が等しくなる点です。その費用額には、変動費、固定費が入ってきます。よって、損益分岐点売上高を計算する際には、変動費が含まれ、さらに変動費には売り上げ原価が含まれる。よって、この説明は誤りです。

 

3.販売計画は年間で立案するものであり、月別や週別に細分化して立案する必要はない。

通常、販売計画は(商品の特性にもよりますが)、年間計画をまずは出して、その後、細部の月間売上、さらに細かく、週間、日間と作成していきます。特に季節的な商品、またはイベント、長期休暇などが影響する商品などは、細かな計画が必要となります。よって、これは誤りです。

 

4.販売計画立案時には、祝日のイベントや地域行事などの影響を考慮することが重要である。

3の解答のように、祝日、イベントなど商品売り上げに影響を与えることを考慮して、販売計画を立案することが重要です。よって、これは正しいです。

 

5.販売計画立案時の売上予測では、市場動向は考慮せず自店舗の過去の販売データのみを用いることが重要である。

そんなことはありません。他店舗の情報を活用することで、今後の見通しなどを予測することができます。よって、誤りです。

 

以上より、解答は4となります。