令和4年度 第1次試験問題 運営管理(オペレーション・マネジメント) 第二十問 解答と解説

解答

 

4.

 

解説

 

作業改善における改善案作成のための原則に関する記述として、最も適切なもの
はどれか。

作業改善における改善案作成の方法なんかは、知識というよりは知識を合わせた思考力により解いていく問題となるかと思います。ここでは、ものごとの決め方がテーマになっており、いくつかの手法について問題となっています。

 

1.ある設備における 1 年間のチョコ停事例の発生件数に基づいて、改善対象の優先順序をブレーンストーミングによって決定した。

プレーンストーミングとは、各メンバーが自由に意見を出し合い、アイデアを創出し整理するのに適しており、優先順序を決定づけるような会議には適しません

 

さてでは、優先順序を決める場合、どうすれば良いでしょうか?パレート分析が適しているでしょう。パレート分析は、複数の事物・現象について、何らかの指標に基づきその頻度により分類して、管理の仕方を検証する分析手法です。優先順序などを分析する場合は、パレート分析が適しています

 

パレート分析 

パレート分析(パレートぶんせき、Pareto analysis)とは、複数の事物現象について、あらわれる頻度によって分類をし、管理効率を高めようとする分析手法である。ABC分析とも呼ばれる。パレート分析で作成されるグラフはパレート図と呼ばれる。

頻度の高いものから、Aグループ、Bグループ、Cグループのようなグループ分けをすることにより(ここから「ABC分析」とも呼ばれる)、努力を集中または分散させることができる。経営上の管理のほかに、研究統計受験対策など様々な分析に利用される。

調達在庫管理においては頻度ではなく所要金額の大小で仕分けをするABC分析が適用される。

 

「パレート分析」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。2021年6月13日 (日) 05:03 UTC、URL: パレート分析 - Wikipedia

 

 

2.現在行われている検査項目について、 5 W 1 H を活用し、まず最初に「How?Why?」の視点「どのようにしてその作業を行うのか?」を検討し、検査時間の短縮を実現した。

まさか、5W1Hに正しい順序があったのかって思った人も結構いるのではないでしょうか?Web等で調べると、Whenから始まる順序を、よく目にします。しかし、これはあくまで、人とのコミュニケーション、伝える際に、今順序で分かりやすく説明しましょうという話で、検査には適していません。

基本はまず最初に、「What?Why?」の視点、つまりは何をどうしてそうするのって問いかけから始めるのが良いとされています。目的とその理由をはっきりさせてから、具体的な話はそれからよってことです。よって、これは誤りです。

 

3.製品工程分析を実施し、動作経済の原則に基づいて作業順序を精査し、作業者の総移動距離が最小になるような配置に変更した。

製品工程分析とは、製品を中心に考えて、それに伴う工程を配置していく考え方です。よって、作業者については考慮されていません。よって、誤りです。

このように作業者を中心にした工程を分析するのは、作業者工程分析です。

 

4.倉庫の仕分け工程について作業者工程分析を行い、ECRS の原則に基づいて簡素化できる作業方法を発見し、作業時間の短縮を実現した。

ECRSとは何でしょうか?

ECRSとは、Eliminate(排除する、取り除く)、Combine(結合する、つなげる)、Rearrange(交換する、組み替える)、Simplify(簡素化する、単純にする)の頭文字を並べたものです。簡素化できる作業方法を発見して、短縮を実現するのは合っていますね。これは正しいです。

 

以上より、4が正解です。