令和4年度 第1次試験問題 運営管理(オペレーション・マネジメント) 第十六問 解答と解説

解答

 

4.

 

解説

 

標準時間を求める問題です。この手の問題も、形を変えてなかなか出題度は高いです。

この手順①、②を 1 サイクルとして、ストップウオッチを使って時間研究を実施した結果、 1 サイクルの正味作業の観測時間の平均値は 90 秒レイティング係数は 110 であった。次に、この作業者についてワークサンプリングを実施し、延べ500 回の計測の中で余裕に該当するサンプルの数が 60 観測された。

 

問題の中で、手順①と②は、まあ、良いでしょうか。1サイクル、平均90秒ですよと。

そのあとに、「レイティング係数は 110」と聞きなれない言葉、「レイティング係数」とは何でしょう。まず、割り出す時間にも種類があります。この時間についてそれぞれ意味を知りましょう。

観測時間:実際に物理的な測定により得た時間

正味時間:作業を順序通りに行った際の最小値

標準時間:正味時間に、朝礼等雑多な時間を考慮した余裕時間を足したもの。

 

そして、レイティング係数とは、観測時間と正味時間の比率になります。観測時間が、やや熟練者がやって、順調に進み、普段より早くできて10分でした。その場合、レイティング係数110をかけてあげることで、正味時間が出るわけです。

正味時間 = 漢族時間 x レイティング係数

             = 10分 x  110% = 11分となります。

つまり今回の場合は、観測時間 90秒、レイティング係数110 となるので、

   90 x 110% = 99秒

ということになります。しかし、今回求めるべきは、正味時間ではなく標準時間です。ここには余裕時間を足してあげなければいけません。どうも、500サンプルのうち60回が余裕に該当ということのようです。この場合、どう考えれば良いのでしょうか?

500サンプルのうち、60が余裕に該当ということは60/500は作業以外のことをしていたということです。ここから、作業時間に対する余裕時間の割合を出すことができ、この値を余裕率と呼びます。

  余裕率 = 余裕に該当するサンプル / 全サンプル = 60 / 500 = 0.12 (12%) 

と出ます。

標準時間 = 正味時間 + 余裕時間

余裕時間 = 標準時間 x 余裕率

標準時間  =  正味時間  + 標準時間 x 余裕率

標準時間  =  正味時間 / (1 - 余裕率)  

              =  99 / (1 - 0.12) = 112.5

ということになります。以上より4の100秒以上となります。

ご丁寧に正味時間が99秒なので、そこから1秒以上の余裕時間がつくことがわかれば、最後まで計算しなくても、4と言う回答は出ますけどね。

 

以上より、解答は4です。