令和4年度 第1次試験問題 運営管理(オペレーション・マネジメント) 第十四問 解答と解説

解答

 

2.

 

解説

 

ある倉庫では、ある製品の入出庫管理が先入先出法で行われている。その製品の在庫状況を把握するために行った流動数分析の結果を下図に示す。この図から読み取ることができる記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

入出庫管理に関する問題です。まずは、先入先出法について確認しておきましょう。これは、

 

先入先出法 

先入先出法(さきいれさきだしほう)とは、先に取得したものから順に払い出されると仮定して、棚卸資産の取得原価を払出原価と期末原価に配分する方法である。英語では、FIFO(First In, First Out)という。

長所

  1. 原価配分の仮定と物の流れが一致すること
  2. その結果、物価変動時(価格変動時)にも、期末棚卸資産の貸借対照表価額が時価に近似すること

短所

  1. 物価変動時(価格変動時)には、期末棚卸資産の名目資本を維持するだけで、期首棚卸資産の保有損益(保有利得)が損益計算(分配可能利益)に混入してしまうこと
  2. その結果、同一物価水準による費用収益の対応ができなくなること

 

「先入先出法」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。2020年11月3日 (火) 00:42 UTC、URL: 先入先出法 - Wikipedia

 

取得した順序のとおりに払い出されるという考え方のもと、計算を行うわけですね。取得したタイミングによって、価格が異なる場合、または仕入れた単位により割引がきいて取得価格が異なる場合がありますが、取得した順序通りに、売り上げ計算をするわけです。

次に、「在庫状況を把握するために行った流動数分析」とは図に示しているように、在庫の入庫累計数と出庫累計数の推移を分析することです。

 

図の意味を考えてみましょう。まずAの期間についてです。Aの水平線を結んだ、交点は、累積数が等しくなるところです。INとOUTが同じになるとは、つまりは仕入れたものが全て出庫されるまでの期間が表されるということです。aまでに仕入れた全商品は、cの時点でやっとすべて売れたと言えます。

次に、Bの垂直線を見てみましょう。同じタイミングの点における累積数が示されていますね。つまり、その時点におけるインプット累積数とアウトプット累積数になりますので、その差分は、その時点における在庫数になります。

では、問題へ進みましょう。

 

1.Aが示す区間の値は、時点aにおける在庫量が倉庫に補充されるまでの期間である。

違いますね。そこまでの入庫した商品が、出庫するまでの滞留期間になります。誤りです。

 

2.Aが示す区間の値は、時点aに入庫した製品の倉庫における滞留期間である。

その通りですね。正しいです。

 

3.Bが示す区間の値は、時点bにおいて製品が倉庫に補充された量である。

違いますね。Bはそのタイミングにおける在庫数でしたね。誤りです。

 

4.Bが示す区間の値は、時点bにおける製品が倉庫から出荷された量である。

これも誤りです。

 

5.インプット累積線とアウトプット累積線における水平方向の間隔が広いほど、倉庫内の在庫が多い

 在庫量を示すのは、垂直線ですね。よって、誤りです。

 

以上より、正解は2です。