4.
製品A~Dの 2 つの工程の加工時間が下表のように与えられたとき、 2 工程のフローショップにおける製品の投入順序を検討する。
生産を開始して全ての製品の加工を完了するまでの時間(メイクスパン)を最小にする順序で投入した場合、メイクスパンに含まれる第 1 工程と第 2 工程の非稼働時間の合計値として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
この辺は、頻発問題としてスラスラと解きたい問題ですね。まず、設備の編成形式には、2つの形式があります。
- フローショップレイアウト:
作業者は、流れに従って複数の工程を担当できるようにレイアウトがされている。1人の作業者がそのまま複数の工程を回すため、仕掛りは少なく、リードタイムは少ない。少品種多量生産向き。 - ジョブショップレイアウト:
同一の機能や性質を持った機器をグルーピングして配置する。作業者は、その機器のみ担当するので、担当する工程は1つである。機能を組み合わせることにより、汎用的な生産が可能になるが、機能ごとに仕係りが存在し、リードタイムは長くなる傾向がある。多品種少量生産向き。
その他、グループ別レイアウトというのもありますが、これは1と2の良いところどりで、中間くらいの性質を持ったレイアウトです。
さて、今回は、フローショップレイアウトが採用された環境のようです。
製品A~Dの 2 つの工程の加工時間が下表のように与えられたとき、 2 工程のフローショップにおける製品の投入順序を検討する。
この状況は理解できるでしょうか?おそらく、各製品は同一人物がフローショップレイアウトに従い、流れるように第1工程、第2工程とこなすんでしょう。で、最初の製品の第一工程が終わったら、次の製品の第一工程を別の作業者が開始すると。で、それを製品Dまで繰り返す感じでしょうか。
例えばで、順番を何も考えず、A, B, C, Dで作成した場合どうなるでしょうか?
上記のような感じです。下のが各工程の稼働状況を表したものになっています。グレーのところがいわば待ち状態になっている非稼働時間です。これだと合計9も非稼働時間が続いていますね。
生産を開始して全ての製品の加工を完了するまでの時間(メイクスパン)を最小にする順序で投入した場合、メイクスパンに含まれる第 1 工程と第 2 工程の非稼働時間の合計値として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
さて、メイクスパン、つまりは製品A~Dを最短で作る順序を探して、その際の非稼働時間の合計値が問題のようです。ポイントは製品A~Dについてすべての製品について、第1工程と第2工程があり、その順序も同じです。
この条件で、ピンとくる人は、ジョンソン法が思いつきますね。ジョンソン法はとても簡単です。すべての工程の作業時間を見て、一番短い作業時間の工程を探します。探し出した工程が、前工程の場合は、最初の順番、後ろの工程だった場合は、最後に回します。
そして、選んだ製品を除き、残ったもので同じように選択します。すでに1番目(または最後)が取られていたら、2番目に配置するわけです。
では、もう一度表を見てみましょう。一番目には、製品Aの第一工程ですね。第一工程ということで、先頭にAを配置します。
A -
さて、つぎは、製品Bの第二工程ですね。よって、製品Bを最後に配置します。
A - 〇 - 〇 - B
さてさて、つぎはDの第二工程ですね。ということでこれで順番が決まります。
A - C - D - B
さて、では順番が決まったところで、非稼働時間を求めていきましょう。
おお、ずいぶん非稼働時間が短くなりました。合計は、5ですね。
というわけで、解答は4が正解です。