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労働基準法に続いて、就業規則です。こちらも労働基準法と同様に問題を通して拡大しながら解説をしていきます。とはいえ、まずはWikiで基礎知識をつけておきましょう。軽く、重要点をピックアップしておきます。
- 常時10人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。次に掲げる事項を変更した場合においても、同様とする(以下略)。
- 使用者は、就業規則の作成又は変更について、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならない。
- 使用者は、前条の規定により届出をなすについて、前項の意見を記した書面を添付しなければならない。
■労働者の代表の意見
就業規則は、使用者と労働者の約束事であり、一般労働者の意見を反映することが重要である。当該事業所の労働者の過半数で組織された労働組合があればその労働組合、ない場合は過半数労働者から選任された代表者が使用者に対して就業規則に対する意見を述べる。意見書は、労働者を代表する者の署名又は記名押印のあるものでなければならない(労働基準法施行規則第49条2項)。
■常時10人以上の労働者
- ■絶対的必要記載事項
就業規則に必ず定めなければならない事項として第89条に列挙されたものは、以下のとおりである。一の就業規則にすべてを記載する必要はなく、別規則を定めて記載しても差し支えない。もっとも、これらの記載を欠いたとしても、効力発生について他の要件を具備する限り有効であるが、そのことをもって第89条違反を免れることはできない(昭和25年2月20日基収276号)。
- ■相対的必要記載事項
その制度を置く場合は就業規則に必ず記載しなければならない事項として第89条に列挙されたものは、以下のとおりである。
- 退職手当について、適用される労働者の範囲、決定、計算及び支払の方法並びに支払の時期に関する事項。
- 臨時の賃金及び最低賃金額に関する事項。
- 食費、作業用品その他の労働者の負担に関する事項。
- 安全及び衛生に関する事項。
- 職業訓練に関する事項。
- 災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項。
- 表彰・制裁の定めについてその種類・程度に関する事項。
- その他その事業場の全労働者に適用される定めに関する事項。
- ■任意記載事項
第89条列挙の事項以外にも使用者は任意の事項を記載することができる。就業規則の目的や、事業場の根本精神、服務規律等を記載する事業場が多い。
■制裁規定の制限
第91条 (制裁規定の制限)
■周知義務
就業規則は、以下の方法によって労働者に周知させなければならない(第106条、規則第52条の2)。これら以外の方法で周知させたとしても第106条の義務を果たしたことにならない。また、要旨のみの周知では足りず、その全部を周知させる必要がある。
- 常時各作業場の見やすい場所に掲示し、又は備え付ける。
- 書面を労働者に交付する。
- 磁気テープ、磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録し、かつ、各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置する。
「就業規則」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。2022年6月19日 (日) 23:14 UTC、URL: 就業規則 - Wikipedia
1.就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、 1 回の額が平均賃金の 1 日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の 10 分の 1 を超えてはならない。
2.常時 10 人以上の労働者を使用する使用者が作成する就業規則に記載する事項について、退職手当の定めをしない場合には、解雇の事由を含めて、退職に関する事項を記載する必要はない。
さて、まず就業規則の記載については、常時10人以上という前置きも覚えておきましょう。常時10人以上いる環境の場合には、就業規則を作成する必要があります。
退職に関しては、問題になりやすいですので、注意しましょう。絶対的必要、つまりは絶対必要ってことです。ここには、退職に関する事項(解雇事由を含む)は必ず記載が必要とあります。退職手当に関係なく、これは起債されている必要があります。
相対的とは、「その制度を制定する場合は、必ず書かなければいけない事項」です。つまり、退職手当を設定しないのであれば書く必要はありませんよってことです。
■絶対的必要記載事項
3.常時 10 人以上の労働者を使用する使用者が就業規則を作成して届出をする際には、当該事業場に労働組合がない場合は、当該事業場の労働者の過半数を代表する者が当該就業規則の内容に同意した旨を記載した書面を添付しなければならない。
4.使用者は、就業規則を常時各作業場の見やすい場所へ掲示し又は備え付けることによって周知しなければならない。就業規則を確認できるパソコン等を常時各作業場に設置して周知する場合には、別途、労働者に対して就業規則を書面にて交付しなければならない。
- 常時各作業場の見やすい場所に掲示し、又は備え付ける。
- 書面を労働者に交付する。
- 磁気テープ、磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録し、かつ、各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置する。