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先物取引および先渡取引についてです。気持ち、頻出な気がします。まずはwikiで用語のチェックをしていきましょう。
デリバティブ(金融派生商品)取引の一つで、価格や数値が変動する各種有価証券・商品・指数等について、未来の売買についてある価格・量での取引を事前に決める取引のうち、最終取引日や取引量の単位が定型化され市場で扱われているものを先物取引といい、定型化されていなくて相対で決める物を先渡取引という。先物取引は市場デリバティブ取引となる。先物取引はかつては定期取引や清算取引とも呼ばれた。
「先物取引」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。2022年10月19日 (水) 06:03 UTC、URL: 先物取引 - Wikipedia
デリバティブ(金融派生商品)取引の一つで、価格や数値が変動する各種有価証券・商品・指数等について、未来の売買についてある価格・量での取引を事前に決める取引のうち、最終取引日や取引量の単位が定型化され市場で扱われているものを先物取引といい、定型化されていなくて相対で決める物を先渡取引という。先渡取引は相対で決めるので店頭デリバティブ取引となる。先物取引は決済時に差金決済されることが多く現物決済は少ないのに対して、先渡取引は現物決済される事が多く差金決済は少ない。先物取引は証拠金取引であるのに対して、先渡取引は証拠金取引ではない事が多い。
「先渡取引」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。2022年8月11日 (木) 11:37 UTC、URL: 先渡取引 - Wikipedia
書き出しが一緒だなぁと思いきや、しばらく一緒の文章でした。この2つはよくその違いについて、出題されることが多いです。「未来の売買についてある価格・量での取引を事前に決める取引のうち、最終取引日や取引量の単位が定型化され市場で扱われているものを先物取引といい、定型化されていなくて相対で決める物を先渡取引という。」
と、明確に違いが書いていますね。ポイントとしては以下のようなことでしょうか。
・取引所で扱われる ➡ 先物取引 店頭で扱われる➡先渡取引
・差金決済が行われる➡先物取引 現物決済が行われる➡先渡取引
差金決済とは、買い付け、または売却時において決済を行わないで、その反対の取引にて、その差額を決済する方法です。なお、信用取引以外での差金決済は禁止されています。
現物決済とは現物=証券を実際に渡す取引になります。
さて、ざっくり基礎知識はついたところで、問題に進んでみましょう。
1.先物価格と現物価格の差は、満期日までの長さとは関連がない。
先物価格とは、先物取引成立時に、取り決めた価格です。現物価格は、まさに変動する株価そのものの価格です。ということで、この差はそのタイミング差による価格差のことですね。満期日とは?これは先物取引で、売買した株に対して、その反対取引をしなければいけない取り決められた期日です。これ以降に売買することはできず、満期日に強制的に反対取引がされてしまいます。
一見、全く関連なさそうに感じます。結論だけ言うと、これは関連があり、誤りである選択肢です。なぜか。先物価格とは、満期までの残日数や、金利などを考慮して、現在の現物価格から割り出されます。これを理論価格と言います。
よって、満期日までの日数は、先物価格・現物価格の間に関連します。誤りです。
2.先物取引では取引金額を上回る額の証拠金を差し入れる必要がある。
証拠金とは、先物取引で取引なものを確実に履行するために、取引当事者が支払う金額です。この証拠金の特徴としては、取引の金額より低い金額ということです。というわけで、誤りです。
建玉とはなんでしょうか?ちなみに(たてぎょく)と読むらしいです。
先物取引をした場合、その反対売買がされることが前提となりますが、その反対売買がされずに残っている金額を建玉と呼びます。
次に値洗いです。値洗いは、Wikiがありましたので貼り付けておきます。
先物取引においては現在持っている建玉から未決済の損益を算出することを言う。株式取引では含み益、含み損と呼ばれる。売り注文ならその時点で仕切り買い、買い注文ならその時点での仕切り売りをした場合の仮想的損益。
仕切り注文時に反対売買がないと成り行き値はその時点での現在値で約定するとは限らず、実際の値動きと値洗いが異なることがある。限月が遠い場合は出来高が大きく現在値で約定する可能性が高いが、限月が近づくにつれ取引が少なくなり現在値と離れた価格で約定する危険を伴う。このため先物取引においては最も遠い限月の売買が行われ限月が近いものは取引が極端に減る傾向にある。先物取引においては現物を売買する目的以外、1〜3カ月以内に仕切るのが通例である。
「値洗い」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。2018年12月16日 (日) 18:38 UTC、URL: 値洗い - Wikipedia
まさに選択肢のことが書かれていますね。変動する価格から、現在の建玉を更新することを値洗いと言います。よって、これは正しいです。
4.先渡取引は、先物取引と異なり、ヘッジ目的に用いられることはない。
ヘッジ(取引)とは何でしょうか。ヘッジ(hedge) とは回避という意味です。これは株価の価格変動により、大きな損失が出ることを回避するために、価格が下がりそうな株を保有した状態のまま、リスク回避のために先物取引で売り注文をしておくなどして、その損失を利益で埋めるわけです。設けるためというよりは、リスク回避ですね。
このヘッジ取引は、先物取引・先渡取引どちらでも行われるものです。よって、選択肢は誤りです。
よって、答えは3です。