令和 4 年度 第 1 次試験問題 財務・会計 第三問 解答と解説

解答

 

2. 

 

解説

 

「収益認識のタイミング」についてです。このあたりは、覚えているかどうかにほとんどかかっています。そもそも収益認識ってなんでしょう?これは、収益として認識するタイミング。つまり、収益が発生した!これを会計上の処理しようっていうタイミングです。そんなの物が売れたタイミングじゃんって、思うかもしれません。しかし、そのタイミングには、大きく3つの考え方があります。

  • 現金主義
  • 発生主義
  • 実現主義

それぞれ詳しくWikiで調べてみましょう。まずは一番分かりやすい現金主義です。

現金主義 (Cash basis)

収益費用現金授受の時点で認識する会計原則である

現金の受け渡し時期にかかわらず取引の確定時点で収益と費用を認識する発生主義とは反対の概念である。これらを用いた会計手法は通常、それぞれ「現金主義会計」や「発生主義会計」と呼ばれる。現金主義は実現主義とも呼ばれる。

現金主義では収益認識と現金受取が必ず一致するため、発生した利益は現金勘定に流入する。すなわち利益が現金による資金的裏付けをもつ特徴がある(利益があるのに現金が払底している、いわゆる黒字倒産が会計上発生しない)。また現金主義では収益と費用が現金と連動しているために差異の発生余地が少なく、管理に対する手間が少なくなると期待できる。

一方、信用取引を扱えず資産への減価償却などが行えないなど財務会計としては多くの問題があるために、特殊な場合を除けば企業会計での使用は許容されていない。

「現金主義」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。2022年9月16日 (金) 14:39 UTCURL: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%A3%E6%9B%BF%E8%B2%A1

シンプルに現金を受け取ったときをそのタイミングとしますってことですね。Wikiにもありますが、最も分かりやすく、管理しやすいやり方ですよね。信用取引とか、必ずしも取引上に現金が即座に発生するとは限らないので、それらを会計上に表せないというのは大きな欠点であり、財務会計としては採用されていないのが普通ということですね。

続いて発生主義です。

発生主義 (Accrual basis)

現金のやり取りに関係なく、とにかく取引が発生したら、会計に計上するという考え方です。想像がつくと思いますが、実際にお金が入る前に、何かトラブルがあって、やっぱり入らなかったなんてこともあり、収益の計上としては、この考え方も採用されず、この次に出てくる実現主義が採用されます。

最後は実現主義です。

 

実現主義 (Accrual basis)

 基本的な考え方は発生主義と似ていますが、実現=つまり、取引が成立したと証明できるような対価の取得があったタイミングを、収益の認識とするということです。財務・会計上、収益の認識方法に採用されることが多い考え方です。

ということで、基本的には、収益は実現主義が採用されているというところまでは、良いとして、実は問題文を読むと、ちょっと様相が違ってきます。今、ここまでは一般的な話をしてきましたが、これらの4つの形態はいわば特殊的な形態であり、それぞれ例外として覚えておく必要があります。まさに知っていた人だけ取れた問題なんじゃないでしょうか。まあ、ある程度は絞れるとは思いますが。

それぞれの収益認識のタイミングをこの場で、うっすらとで良いので覚えておきましょう。

  • 委託販売:委託された売り手が、実際のそれを販売した日に計上する
  • 割賦販売:商品を引き渡した日。
    • ちなみに割賦販売とは、先に商品を引き渡して、代金は分割払いという販売方法。
  • 試用販売:顧客が試用を通して、実際に買い取りの意思を伝えた日に計上する。
  • 予約販売:実際に商品を引き渡した日、またはサービスを提供した日に計上する。

 では解答を見てみましょう。

 

委託販売において、商品を代理店に発送した時点

代理店側に発送した時点では無いです。実際に販売した日ですね。

 

割賦販売において、商品を引き渡した時点

合っていますね。引き渡した日です。これが正解です。

 

試用販売において、試用のために商品を発送した時点

試用のための商品を発送した時点ではなく、買うという意思を伝えた日です。

 

予約販売において、商品の販売前に予約を受けた時点

 違いますね。商品を引き渡した時点、またはサービスを提供した辞典です。

 

よって、解答は2です。