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問題文にある情報の非対称性ってなんでしょう?あまり、頻出用語ではないのではないかと思います。調べてみるとこんなものにも、ちゃんとWikipediaは存在しています。
市場における各取引主体が保有する情報に差があるときの、その不均等な情報構造である。「売り手」と「買い手」の間において、「売り手」のみが専門知識と情報を有し、「買い手」はそれを知らないというように、双方で情報と知識の共有ができていない状態のことを指す。情報の非対称性があるとき、一般に市場の失敗が生じパレート効率的な結果が実現できなくなる。
「情報の非対称性」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。2022年8月24日 (水) 03:48 UTC、URL: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%A3%E6%9B%BF%E8%B2%A1
市場の、取引主体が持っている情報に差があると、市場がうまく想定通りに動かなくて、「市場の失敗」になってしまうという話ですね。たとえば、専門的な知識が売り手側が持っている市場があったとして、買い手は知識なく、売り手の言いなりになってしまうことが多いと。
この場合、質が悪いものを高く売ることが横行してしまいます。この場合、逆に質の良いものは後に後に取っておかれるので、市場に出回らず、粗悪品ばかりが市場に出回ってしまい、よくない状態になってしまいます。このような状態は市場の失敗であり、また、この選択を逆選択と呼びます。
個人的には、非常に考えにくい問題文です。
情報の非対称性が、どこに発生するかを考えましょう。もちろん自動車保険をかける運転者と、保険会社という構図になります。保険内容をあまりよく分かっていない運転者に対して、ろくでもない保険を運転者に選択させるわけですね。
しかし、ポイントなのが、「契約後に生じる逆選択」という部分です。
契約後に、契約者の知識と、契約会社側の知識に差異があって、免責の範囲で問題になるというのは、市場に質が悪いものがはびこるとかそういう話ではなく、モラルの問題です。免責事項が何かを明確に開示することによって、これが防止されますが、「逆選択」の話題ではありません。誤りです。
あからさまに、「契約後」と書いてくれているので、ここに反応できるかですね。
b 医療保険制度を任意保険ではなく強制保険にすることには、病気になるリスクの高い人のみが医療保険に加入するという逆選択を減らす効果が期待できる。
情報の非対称性はどことどこで考えればよいのかもイマイチピンときません。まず、知識の非対称性とはどこで発生しているのかというと、これも保険加入者と保険会社の間と考えてよいですね。そして、病気のリスクが高い人に、悪質な保険を知識がないことをいいことに進めていきます。そして、まともな保険は広まらず、市場が失敗状態になってしまうということでしょう。これを強制保険とすると、リスクにかかわらず保険に入るため、適切な保険運用が可能になり、正しく市場形成がされる、ということですね。正しいです。
aと比べても、これは契約の前の情報の非対称性から発生する逆選択であることを確認しておきましょう。
c 企業が新たに従業員を雇う際に、履歴書だけではなく、その応募者のことをよく知っている人からの推薦状を求めることには、見込み違いの従業員を雇ってしまうという逆選択を減らすことが期待できる。
これは逆に、企業側が応募者のことに対して、知識がない状態で、雇用のミスマッチが働いてしまうことがあるという話ですね。応募者のことをよく知っている人から推薦状をもらうことで、履歴書に書かれていることは本当だと担保してくれる形になり、確かに、逆選択を減らすことが可能になります。よって、正しいです。
これも、採用前の情報の非対称性から発生する逆選択ですね。
よって、誤、正、正で、答えは3となります。
しかし、これは言い回しが結構微妙で難しい問題だなと感じました。