令和3年度 第 1 次試験問題 財務・会計 第ニ問 解答と解説

解答

 

2.

 

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解説

 

財務・会計は、正確に問題を把握できるかどうかで半分決まってきます。

 

本支店会計において本店集中計算制度を採用している場合、A支店がB支店の買掛金 200,000 円について小切手を振り出して支払ったときの本店の仕訳として、最も適切なものはどれか。

 

●本店集中計算制度          

本店集中計算制度とは、本支店すべての経理を集中的に行う会計方法になります。支店は全ての会計処理を本店へ報告します。そのため、支店側では記帳を行わないことになりますので、帳簿を持ちません。

 

次に、実際の支店側の会計処理を見ていきましょう。支店側の会計処理で以下のことがあったとされています。

A支店がB支店の買掛金 200,000 円について小切手を振り出して支払った

どこの支店が何をやったのかしっかり抑えましょう。この場合、まずB支店が、買掛金200,000円があるわけですね。おそらく、B支店が何らかの仕入れを買い掛けで行ったようです。そして、その支払いを、A支店が、小切手を振り出して支払ったわけです。

さて、それではそれぞれの仕分けはどうなるでしょうか。本店集中計算制度の場合、すべての取引が、本店経由で行われる形になります。

 

まず本店の仕分けはどのような形になるか見ていきましょう。

借方 勘定科目 借方金額 貸方 勘定科目 貸方金額
B支店 200,000 A支店 200,000

借方・貸方には、直接それぞれの「支店」が入ります。借方にはB支店、貸方にはA支店が入ります。

違和感を覚えるかもしれませんが、内部取引はこのようになります。本店から支店に対して資金を送金する際も、支店勘定が使われます。その場合は、本店の仕分けの貸方が現金となります。

実際には貸方に入ったA支店の「当座預金」から、借方に入ったB支店の「買掛金」が支払われることになります。どっちの支店が借方なのか、貸方なのかは、具体的にどこが、何を支払うのかを考えてみれば、分かりやすいです。今回の場合、B支店の「買掛金」を、A支店の「当座預金」で支払う形になりますので、B支店が借方で、A支店が貸方のはずですね。

 

では、実際に、小切手を振り出したA支店の仕分けはどうなるでしょうか?気を付けなければいけないのが、すべての取引が本店経由で行われるというところです。つまり、A支店は、B支店に対して直接取引したわけではないとことです。

 

借方 勘定科目 借方金額 貸方 勘定科目 貸方金額
本店 200,000 当座預金 200,000

このように本店に対して、当座預金から送金する形になります。

 

最後に、B支店側です。ここまでくればだいたい流れは分かると思います。B支店側も本店が、買掛金の処理を行った形になります。

 

借方 勘定科目 借方金額 貸方 勘定科目 貸方金額
買掛金 200,000 本店 200,000

 

 以上より、2が正解になります。

これは確実に取りたい問題です。